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大みそかの晩、兵庫県芦屋市茶屋之町の西法寺が、ドラム缶でつくった釣り鐘で初めて除夜の鐘をつく。震災当時、境内にはドラム缶が20個ほど置かれ、被災者の仮設風呂の湯を沸かすのに使われた。住職の上原泰行(たいぎょう)さん(54)は「寒さに震えていた私たちを助けてくれたのがドラム缶。今、姿を変えて復興へのシンボルとして役だってほしい」と話す。
西法寺は浄土真宗本願寺派の寺院。震災時、本堂は壁にひびが入ったが、倒壊は免れた。
半年間、本堂は近くの人たちの避難所となり、多い時は70人ほどが寝泊まりした。
境内には、大阪の知人の僧侶たちが持ってきてくれたドラム缶が並んだ。給水車から水をもらい、壊れた家の廃材を燃やして湯を沸かした。その湯をバケツリレーして、ビニールシートでつくった仮設風呂の浴槽まで運んだ。
ドラム缶製の釣り鐘は、9月に完成した新しい本堂の建設がきっかけとなった。上原住職は、震災で両親を亡くした知人の工務店経営藤野春樹さん(51)=芦屋市=に工事を依頼。併せて、新品のドラム缶で鐘をつくってもらった。
釣り鐘は、高さ、直径ともに約60センチ。ドラム缶そのままではバランスが悪いため、3分の2に切った。撞木(しゅもく)でついてもへこまないように、あたる部分は鉄板を重ねて補強された。上原住職が鐘の表面に「阪神・淡路大震災 追悼之鐘」と黒いペンキで筆を入れた。
上原住職は「酷使して底に穴が開いたドラム缶もあった。あまり響かないが、いとおしい音色で、心にしみ入ります」。イラン地震で亡くなった人々を追悼する思いも込めて鐘をつきたいという。
(12/28 14:47)
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