2004参院選
 
新福岡空港 <問われるもの04参院選・福岡から>

 「福岡を福岡たらしめているのは、空港が近くにあるからだ」

 「現在の空港では、将来の大型機に対応できない」

 2日、福岡市内のホテルであった「福岡空港調査委員会」の今年度初会合。現空港に代わる新たな空港はいるのか、いらないのか。議論は行きつ戻りつした。

 空港の将来像を調査研究するため、県と福岡市が昨年度設置した。新空港の建設を前提とせず、学識経験者ら11人が数年かけて調査する。今年度の調査の進め方を話し合うのが議題だったが、「そもそも論」が飛び出した。

 福岡市の陸の玄関、JR博多駅から地下鉄で2駅。国内の大都市空港の中で、福岡空港の交通アクセスの良さは際立っている。02年の離発着回数は14万回に迫り、1日平均382回。羽田、成田に次いで多い。

 「滑走路の容量はいずれ限界を迎える」として、80年代には早々と新空港が検討され始めた。

 アジアをにらむ国際拠点空港をもつことが、九州の中心である福岡の発展にかかせない−−。県や地元財界の間で移転の機運が高まった02年、県はいったん新宮町沖を有力候補地とし、国の判断を待たずに移転推進の旗を掲げた。

 だが、中部国際空港(7600億円)を上回る8200億円と見込まれた巨額の建設費などに、県民から批判の声がじわりと高まった。

 「新空港反対」を訴える新顔と一騎打ちする知事選を3カ月後に控えた03年1月。それまで推進派と見られていた麻生渡知事が、新宮沖案を白紙に戻すと表明した。新空港問題は明確な争点とならず、知事は3選を果たした。

 背景には国の方向転換がある。国土交通相の諮問機関、交通政策審議会の航空分科会が前年に、3大都市圏の空港整備を優先させ、地方空港は抑制する答申を出した。

 福岡については新空港建設だけでなく、現空港の活用や、06年に開港する新北九州、佐賀空港との機能分担も選択肢とされた。福岡空港の離着陸回数は02年、9年ぶりに減少に転じた。

 分岐点に立ったはずだった。

 あくまで新空港に固執し、国内第4の国際拠点空港を目指すのか−−。そのためには国を動かし、県民に理解を求める努力が迫られる。大型の地方空港と位置づけ、現空港を拡充するか−−。推進派の財界や政治家の説得が欠かせない。

 ところが、麻生知事は「調査委の議論を見守る」とし、態度を鮮明にしない。

 2日の調査委。委員長の杉岡洋一・九大前学長は「今年度は重要なところにさしかかっている。福岡のみならず、九州全体にもかかわることで慎重に調査したい」と話した。判断を先送りする行政、政治からゲタを預けられた学者の、言葉を選びながらの決意表明だった。

      =終わり

 (07/04)


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