2004参院選
 
医療不信 行政・司法「業界寄り」 <争点の現場から>

 誤診や治療ミス、カルテの改ざん……。医療への不信が広がっている。背景には「業界寄り」と指摘される行政や司法の姿勢がある。参院選は業界や労組をバックにする候補者が多い。消費者や患者本位の体制をどうつくるかも大事な論点ではないか。

 東予地方に住む50歳代の女性は病院を裁判所に訴えるべきか、悩み続けている。01年秋に母親が入院中に79歳で死亡。死亡診断書は「肺炎から呼吸不全を起こし死亡」となっていたが、女性は「体力が衰弱している時は禁止されている薬物を投与されたことが原因では」と疑っている。

 母親は療養型ベッドのある病院に入院中、腸の病気になり開腹手術を受けたが、手術後1カ月もたたないうちに強い薬を投与された。患者の扱い方にも疑問がわいた。「病室とは思えない所に寝かされ、家族に無断で手足をベッドに縛り付け、床ずれもひどかった」

 遺族は訴訟を念頭に、医療問題を扱う民間団体や弁護士に相談したが、「訴訟費用に50万〜60万円はかかる」と言われた。女性の夫ががんで死去した直後の精神的に苦しい時期とも重なって、断念したが、今も「良かったのか」と自問自答の毎日という。

 県がこの病院を調査した「医療監視」の結果を情報公開の請求で入手した。「病室の定員遵守(じゅんしゅ)」「病室以外の患者収容」という項目が4年連続「×」。03年度には医師数も規定を満たしていなかった。

 県医療対策室は医療法違反の状態と認めるが、「立ち入り検査で指導を強めるか、社会保険事務所に連絡し、医師の不足を理由に診療報酬を返還させるなどで改善を促すしかない」。更に「医療事故の過失の有無を判断するのは裁判所」と言い、被害救済にすぐに結びつきそうもない。

 産科医療問題に取り組む全国組織「陣痛促進剤による被害を考える会」代表で、今治市の出元明美さん(51)は「このままでは問題のある医師が生き残ってしまう」と指摘。「カルテの改ざんを禁止し、開示を義務づける法律をつくるなど、被害者の救済を支える制度が必要」と強調する。

 (07/10)


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