2004参院選
 
争点 年金議論も及び腰 <動くかちば 参院選の構図:2>

 参院厚生労働委員会で与党が採決を強行し、衆参本会議では野党が「牛歩」や問責決議案などを連発する−−。激しい攻防の末、5日成立した年金改革関連法が参院選で審判を受けることになるが、県内では、積極的に争点にしていこうと動く政党は少ない。

 6日午後、千葉選挙区に立候補を予定する自民党現職椎名一保氏(52)が、JR千葉駅前に立った。「参議院でのドタバタは、民主党が政局問題にしようとしたために起きたのです」

 これまでの集会などではほとんど年金問題に触れてこなかった。この日も改革の中身については触れずじまい。椎名氏は「具体的な数字を使えば国民にはわかりやすいだろうが、まだ推計の数字だ」と理由を説明した。演説を聞いていた陣営関係者は「年金の中身を話しても国民には理解できないでしょ。複雑だから」という。

 国民年金への未加入や保険料の未納は主要政党の国会議員を巻き込んだ。制度は確かに複雑だが、改革をする側が熟知していないことに危うさがある。自民党は国会議員の未納・未加入状況を公表していない。

 民主党は、県内では03年の総選挙で、無党派層の「風」を呼び込んで躍進した。暮らしに響く年金問題は、今回も大きな風を起こす可能性のあるテーマだ。同党県連の田中明幹事長は「有権者が最も関心があるのが年金問題だ」と言う。

 だが、菅直人前代表が代表を辞任し、小沢一郎氏が後継代表への就任を辞退した直接の原因でもあり、年金そのものより、党のごたごたと結びつけられがちだ。県連幹部は「(年金を訴えることが)政治不信につながり、投票率が下がるのでは」と腰がひける。

 同党から立候補予定の現職広中和歌子氏(70)は5月下旬、県選出の衆院議員の支持者を集めた集会に参加した。3党合意を非難する意見にうなずき、「選挙が戦いにくい状況なのは承知している」と話した。

 共産党から立候補を予定する新顔浅野史子氏(33)は、党の掲げる最低保障年金制度の創設などを、不況に絡めて有権者に訴える。同党にも衆院議員1人の未納・未加入があったが、与党や民主党のように党のトップが絡む問題には至っておらず、県内の政界関係者の多くは「今回予想される三つどもえの構図の中では、共産党には比較的有利だ」と見ている。

 公明党は千葉選挙区に候補者を擁立せず、比例区に全力をあげる。県本部の吉野秀夫代表は「年金未納・未加入は主要政党が出そろったので、選挙戦で意識はしていない」と話す。同じく、選挙区での候補者擁立を見送った社民党は、福島瑞穂党首が来県し、「小泉首相は、自身の国民年金の未納・未加入を早く明らかにすべきだった。公明党の神崎氏も代表を辞めるべきだ」と与党側を批判した。

 年金のほかにも、イラクへの自衛隊派遣などに絡んだ憲法、拉致問題などの外交、景気回復などが今回の参院選の争点に挙げられる。衆院選と比べて候補者個人と有権者とのつながりが薄く、その分、テーマ・争点次第で流れができやすいといわれる戦いを、各党はまだ、見通せないでいる。

 (06/07)


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