2004参院選
 
あの課題は今:5 国際貢献 <審判’04 参院選あいち>

 「イズ コイズミ ア バッド プライム ミニスター(小泉さんは悪い首相)?」。数人が恐る恐る手をあげ、数人が下を向く。「どっちでもないのかなあ」との声も。

 英語での討論技術を身につける日本福祉大学半田キャンパスの一般向けクラス。米国人講師アルバート・サスラーさん(44)の問いかけに、主婦や会社員ら約20人の生徒の反応は鈍い。

 ○マニフェスト

 米国のイラク攻撃を巡って、議論は白熱した。サスラーさんが「ブッシュ大統領は民主主義のいいお手本か」と問いかけると、「まさか」と笑いも起こった。

 だが、自衛隊の派遣については歯切れが悪い。賛成でも反対でもないという東浦町の主婦(45)は「多国籍軍に自衛隊が参加しようという時代。正直怖い。でも、イラクの自衛隊員は『頑張って』と思う」。

 知多市の主婦(45)も「アメリカにくっついて自衛隊まで戦地に送るようになった。でも、『復興支援』なら派遣は必要だし……」。

 自民党は昨年11月の総選挙の政権公約(マニフェスト)で、イラク復興支援など国際貢献に取り組む姿勢を明記、自衛隊派遣に向けた強い意思を示した。民主党は、戦闘が続くイラクへの自衛隊派遣について反対を唱えた。

 結果として与党3党が安定多数を確保。小泉首相は「国民の支持を得られた」として、同12月に航空自衛隊の先遣隊を派遣した。

 ○関心薄い国民

 それから半年。自衛隊の活動が粛々と進む中、参院選で自衛隊派遣や有事法制などの問題が争点化する動きは表だっては見えない。空自小牧基地のある派遣隊員は「派遣後初の国政選挙だが、争点にはなりにくいだろう」とみる。「民主党は国連主導の多国籍軍への参加なら認めると言い出した。マニフェストの中身と矛盾する。有権者はしらけちゃっているのでは」

 5月29日午後、名古屋・栄の路上では、市民団体「ピースアクション」のメンバーが、通りを行き交う人々にイラク派遣と有事法制に反対する署名を呼び掛けた。立ち止まって署名する人はわずか。事務局の山本みはぎさんは「有権者の関心ははっきり言って薄い。でもイラク派遣や有事法制について考えることは国の根幹にかかわる問題。政党はきちんと政策を説明して、参院選で問うべきなのに」と危機感を示す。

 定形衛・名古屋大大学院教授(国際政治学)は「自衛隊派遣は武力行使をしないとはいえ、憲法9条に支えられた戦後民主主義の『歯止め』を踏み越えたものだ」と懸念する。そのうえで「日本は同盟国として、米国に発言できる機会はいくらでもあったのに、追従するだけで何もしなかった。無関心な国民が多くても、結果として米国の行為に加担し続けていることをよく考える必要がある」。参院選で与野党が積極的に議論すべき問題だと指摘する。

 (06/06)


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