2004参院選
 
迫る公示、各党の動き:上(2004参院選)

 10日夜、松山市道後町1丁目の農協支所に観光関係者や高齢者ら約130人が集まった。別の会場から20分ほど遅れて到着した山本順三氏(49)は司会者の紹介を受けて壇上に。「(私の)顔も初めて声も初めてという皆さんでしょう」と話し始めた。

 7月の参院選愛媛選挙区(改選数1)に自民党公認で立候補をすることを表明し、5カ月になる。年金や教育問題、長崎県佐世保市で起きた女子児童死亡事件などについて20分ほど話し、支持者との握手もほどほどに駆け足で次の会場に向かった。

 参院議員2期目の野間赳氏が昨年11月に引退を表明し、自民党県連での候補者選考が急ピッチで始まった。県連幹事長だった山本氏は当初、明言を避け、別の県議が出馬に意欲を示した。加戸守行知事もこの県議を強く応援し、県連に対して働きかけもした。

 県連は選考委員会をつくり、県議一人ひとりから意中の人を聞いて回ったが、この県議を積極的に推す声は少なかった。大半が山本氏を推し、挙党態勢を整えた。

 28歳で県議に初当選し6期目での決断。県連幹事長や政調会長など要職を務めた山本氏だが、地元今治市以外での知名度は低い。名前を売り込むため、団体回りと組織固めに力を注ぐ。

 立候補表明直後の1月から、地元県議を案内役に県内市町村のあいさつ回りを始めた。候補者による業界団体回りも、前回参院選では県本部だけだったが、今回は郡部の支部まで足を延ばす。有権者の多い松山市では、今月から学区ごとに1日3カ所の集会に顔を出している。

 だが、公共事業の減少などで支持団体には揺らぎも見られる。

 県内の建設業界はここ数年で100社以上が倒産、廃業した。ある関係者は「投票しても結果が見えず、『なぜ運動しないといけないのか』という声も強い。人を集めにくくなった」とこぼす。同党県連も「無理に集めると逆に支持が離れる」と、以前のように動員は強制していない。

 選挙費用は格段に減った。これまでは億単位の金がかかり、候補者自身も数千万円が必要と言われてきたが、今回は数分の1程度。企業に余力がなく、選挙資金パーティーも安倍晋三幹事長が松山入りした時ぐらい。各支部に配る資金も十分になく、手弁当で動くことが増えた。

 「比例候補を抱える各業界の運動に引っ張ってもらうこともある」と県連幹部はいう。選挙資金集めと同様に運動も盛り上がらないため、県連内には投票率が下がるという見方が強い。

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 同選挙区に候補者を立てない公明党は比例区に絞り、四国九州重点候補の現職弘友和夫氏(59)を支援する。目標は前回(01年)より1万票以上多い13万票。ただ、支持母体の創価学会の中には自衛隊のイラク派遣への批判が根強く、神崎武法代表らの年金未納も追い打ちをかけた。このため党県本部は少人数の集会を繰り返し、「少しずつだが理解が深まってきた」と手応えを感じている。

 前回の愛媛選挙区では自民候補を推薦したが今回は自民からの要請はなく、自主投票になる可能性もある。県本部幹部は「自民には自信があり、推薦を受けるメリットを感じていないだろう」と話す。確かに自民内には「推薦を受けると比例区での協力問題が出てくる」と慎重論がある。

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 7月11日投開票予定の参院選まで1カ月を切った。愛媛選挙区では、これまでに自民、民主、共産から3氏が立候補を表明している。選挙戦に向けた各党の動きを追った。

 (06/12)


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