2004参院選
 
迫る公示、各党の動き:下(2004参院選)

 「ここは協力が必要だ。一つよろしく頼む」

 「斉藤(政光)さんではのめない。支持者の理解も得られない」

 4月下旬、松山市内の社民党事務所。連合愛媛の河野広美会長が切り出した民主党への協力要請に、社民党県連の村上要代表は顔をしかめた。反自民勢力が相乗りできる「連合型」候補の擁立を望んでいた社民だけに失望は大きかった。

 まして斉藤氏(35)は、昨年秋の総選挙で社民・民主両党が選挙協力を模索していた愛媛2区に、民主党が東京から連れてきた候補。しこりも残る。最後は「好きにしろ」と怒鳴り合って別れた。1カ月後、社民は選挙区の自主投票を決めた。

 愛媛では89年の参院選以降、「連合型」候補で3回戦った。89年には自民候補に競り勝った実績もある。だが河野会長は「人も金も頼られては困る」ともらす。「何とか幅広い層の力を一本化したいと努力したが残念。民主党を基軸に全力で闘う」

 不協和音が続いていた連合と民主だが、成見憲治・民主党県連代表は「今、非常にいい関係にある」という。連合から距離を置くようになった藤原敏隆・前代表の時代に決裂。それでも昨秋の総選挙では連合が民主公認の4候補を推薦した。準備不足で合同選対は立ち上げられなかったが、新居浜市など3市町で比例票が自民を上回り、松山市でも拮抗(きっこう)した。

 斉藤氏は東京から松山市に住居を移し、「選挙の結果にかかわらず愛媛で政治改革に取り組む」と意気込む。労組へのあいさつ回りを進め、ミニ集会を重ねている。

 だが、実際に運動の主力となる労組の動きは鈍い。比例区に組織内候補を抱える労組は力点が比例に傾きがちだ。ある幹部は「ただでさえ非拘束名簿式で名前を書いてもらうのが大変なのに、選挙区まで力を注げない」という。

 連合傘下で社民党系のある労組では、事務所に斉藤氏のポスターさえ張っていない。事務所開きにも参加しなかった。幹部の1人は「社民の推薦もないのに『比例区は社民、選挙区は民主』と言ったら末端の組合員が混乱する」。

 総選挙では組合員の動員がうまく行かず、山間部など一部地域でポスター張りを業者に委託した。今回も「連合から割り当てが来ても組合員には頼みにくい。幹部でやるしかない」との声も出ている。

   ◇   ◇

 「比例で6万8000票は可能だ」。共産党県委員会の山本久夫・選挙対策本部事務局長は、強気の目標を掲げる。01年の参院選、昨秋の衆院選と、比例票は4万票前後にとどまったが、98年参院選は橋本政権への逆風をうまくつかみ、7万4000票を集めた実績がある。

 小泉首相が進める三位一体改革、自衛隊のイラク派遣……。山本事務局長は「自治体や国民の不満は根強い」という。党内に「経験不足」を懸念する声もあったが、巻き返しを図るため昨年12月、選挙区に31歳の坂根正洋氏を擁立した。

 従来より2カ月早い候補者決定だった。自民支持が多い首長や農協、漁協関係者のところにも足を運び、不満の声を拾ってきた。県内はすでに2巡した。自衛隊派遣では「完全撤退」を掲げ、民主党との違いを強調する。年金問題も追い風になると考える。

 党県委員会の幹部は「坂根氏の運動を通して公約を訴え、一人でも多く比例候補を国会に送りたい」と話す。

 (06/13)


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