2004参院選
 
合法?違法?戸惑う声 <審判’04 参院選あいち>

 主要な選挙運動である有権者に電話で投票を依頼する「電話作戦」。報酬を約束して「作戦」をさせたとして、昨年の衆院選で愛知15区の都築譲議員派(民主)が公職選挙法違反に問われたことが、参院選の準備を進める各陣営の足かせとなっている。取り締まり強化への危機感が強く、勉強会を開いて選挙運動を再点検する動きも。合法、違法の境目がわかりにくい公選法に戸惑いの声も聞こえる。

 ○残る事件の衝撃

 「おわび行脚が終わったばかりで、支持者はまだ衝撃を受けている。しかし、萎縮(いしゅく)せず、やれることをやらなければならない」

 民主党愛知15区総支部幹事で豊橋市議の山岡弘幸さんは、党の参院選立候補予定者の後援会で15区部会長を務める。電話を掛けてもらうボランティアを探しているが、事件の影響で「電話を受けた人が不審に思うのでは」と躊躇(ちゅうちょ)する人がいるという。

 公選法では、電話で投票を依頼すること自体は自由だ。都築派の「電話作戦」では、電話を掛ける主婦らに時給800円の支払いを約束したことが買収罪に問われたが、選挙カーのアナウンス係や事務員への報酬支払いは認められている。

 ○具体例挙げ説明

 民主党は電話作戦にも報酬を支払えるよう、今国会に公選法改正案を提出したが、都築氏は「改正案には衆院の定数削減が含まれ、自民党が乗ってこない。『つるし』(法案が審議されないこと)になるだろう」と成立に悲観的だ。

 参院選を前に、公選法を学ぼうと、民主党は勉強会を全国で開いた。東海ブロックでは4月に名古屋市で国会議員事務所の実務責任者や総支部の会計責任者約70人が参加した。

 党本部の顧問弁護士が判例などをもとに、(1)アルバイトが投票依頼の電話を掛けることは合法か(2)労働組合が動員費を支払うことは合法か(3)公示前、立候補予定者の個人演説会終了後、後援会員10人で居酒屋に行った。飲食代の一部を後援会責任者が負担するのは合法か――など、10問を投げ掛けた。答えはいずれも「違法」だ。

 「アルバイトがポスターを張るだけなら問題ないが、『頑張ってください』と声を掛けられ、『頑張ります』と答えると、選挙運動とみなされる可能性もある」。こんな話に、会場から苦笑が漏れた。

 ○「士気が下がる」

 アルバイトに帳簿をつけさせたり、銀行で金をおろさせたりするのは問題はないが、これも違法と思ったという参加者の一人は「気にし出すと、何もかも駄目なような気がして、疑心暗鬼で身動きがとれなくなってしまう。全員をボランティアで賄えればいいのだが」とため息交じりだ。

 民主党県連は「組織的に陥りやすいことがあり、従来は疑いなくやってきたことを見直してもらいたい」という。

 連合愛知も勉強会を開いた。「衆院選ではできること、できないことを末端まで徹底しきれなかった。公選法は解釈を判例に頼るしかなく、わかりにくい。一人で判断せず、相談するよう呼び掛けた」という。

 自民党県連も公示前に、実務担当者らを集め、選挙運動での留意点を徹底する予定だ。同県連は「労務者と運動員の区別、政治活動と選挙運動の違いなど、あいまいな部分がある。取り締まりが厳格になっており、具体例を挙げて説明したい。善意で手伝ってくださった方に迷惑をかけては、士気が下がる心配がある」と話す。

 共産党県委員会も「公選法は一般の有権者にわかりにくく窮屈。もっと自由であるべきだと思う」としている。  (06/13)


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