2004参院選
 
自民、背水の「公認1」 割れる支持層(情勢報告:上)

 福岡市内で4月末、参院選福岡選挙区(改選数2)に立候補を予定している元自民党県議、古川忠氏の政治資金パーティーが開かれた。

 無所属での出馬にもかかわらず、出席者には、自民党福岡市議や同党支持団体の役員の姿があった。

 あいさつした保守系の市議は「自民党の公認候補もいる。やりにくい選挙だが、忠さんを応援したい」。出席者たちは、3期目をめざす自民党現職の吉村剛太郎氏との対決を思った。

 吉村氏と古川氏の経歴は似通う。共に修猷館高−早稲田大卒の元県議。吉村氏が86年の衆院選に立候補するため県議を辞職した際、後継候補が古川氏だった。

 古川氏は01年の参院選に自民の推薦を得て出馬し、8800票余りの差で次点となった。今回は「先輩」の吉村氏に挑む。共に公認申請したが、党の決定は吉村氏だけだった。昨年の衆院選で前職4人が落選したため1人にしぼった。

 麻生太郎・党県連会長は「必勝を期すため」と話す。しかし、党の支持基盤は一枚岩ではない。

 自民の有力な支持団体である福岡市医師連盟は、吉村、古川両氏に推薦状を出した。「2人推薦は連盟員1100人の投票行動に混乱を招く」との懸念もあったが、3期にわたる県議時代の古川氏の実績を評価する声を無視できなかった。

 市医師会の喜久正和事務局長は「連盟としては2人の当選を望むということだ。意見が多様であれば、自民党の方針と一致しないこともある」。

 自民党の福岡市議にも「自身の支持者も2人への支援が分かれ、対応が難しい」との声がある。「個人的なつながりには代えられない」と、古川氏の支援に回る保守系市議もいる。

 吉村氏は、自民党県議や市議と連携して、500〜1000人規模の集会を各地で開く。企業・団体の推薦状は500を超えた。「唯一の自民党公認候補」を看板に組織選挙を展開する。

 古川氏との競合は不安材料だが、吉村氏は「参院の選挙区は広い。全体のバランスが大切だ」。

 古川氏は、吉村氏を「自分とは全くタイプの違う政治家」と評し、支持層の違いを強調。その一方で「何もしなければ公認に負ける。一人でも多くの人に会って支持を広げるしかない」と危機感をにじませる。都市部だけでなく、県内500カ所を目標にした街頭演説に力を入れている。

    ◇

 参院選の投開票日とされる7月11日まで1カ月を切った。福岡選挙区には7人が立候補を予定している。主な立候補予定者と政党の動きを追い、情勢を探った。

 予想の顔ぶれ

 吉村剛太郎 65 (元)国交副大臣   自現<2>

 大久保 勉 43 (元)米系証券社員  民新

 津野 豊臣 60    党県常任委員  共新

 石原 倫理 47 (元)病院職員    諸新

 江頭 邦弘 63 (元)高校長     無新

 藤本  豊 53    建設会社顧問  無新

 古川  忠 55 (元)県 議     無新

 敬称略。年齢は投票日現在の満年齢。<>内は当選回数。肩書の(元)以下は過去職。  (06/15)


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