2004参院選
 
自衛隊のイラク派遣(凪の行方 04参院選 託す思い)

凪(なぎ)の行方

 状況悪化の今、議論を 宇都宮大学3年生・谷沢壮一郎さん

 ――7月の参院選にどれくらい関心がありますか

 「高校生の頃から政治に興味は持っています。でも、選挙はどこか政治と結びつかない印象です。候補者が政策をぶつけあうというよりも、人気投票に見えてしまう。特に選挙カーが候補者の名前を連呼しているとそう感じます。互いの主張を訴え合うだけでなく、意見交換が見たいです」

 ――イラクを訪ね、見聞しては講演会などで報告しています。参院選を前に何が気になりますか

 「やはり自衛隊派遣の今後について関心があります。昨秋の衆院選でも派遣を巡る論議を期待したのですが、結局今に至るまでしっかりした日本のビジョンが示されていないと思うからです」

 「派遣するにしても、軍服で現地入りし、治安が悪化すると宿営地にこもるような活動にイラク人は理解を示していない。自己満足の活動ではなく、イラク人の期待に沿う効果的な支援活動について、国会で議論される土壌ができて欲しい」

 ――日本に戻ってきて、感じることは

 「周りを見て気になるのは『派遣した以上もう仕方ない』といった無関心な空気の広がりです。でも国の政策として派遣した自衛隊。僕たちがこれまでの実態を見直し、この先どうするかを考えないのは無責任です。派遣が決まった頃よりもイラクの状況は悪化している。当時よりも今のほうが議論すべきだと思う」

 「多国籍軍参加の話も含め『何かおかしい』と感じている人は結構いると思います。僕は参院選で、その問題意識が候補者にあるか注目したい」

 ――一方で関心を示さず、選挙を棄権する有権者も少なくないです

 「政治に無関心なことと棄権することは違うと思う。関心がないなら『あなたたちの政治に関心はない』という意思を示す必要がある。白票でも投じて政治不信の意思を表すべきだと考えています。棄権すると結局、世間や国会議員には関心がないことすら伝わらない。政治で決められたことに生活が引きずられてしまうだけになる」

 「イラクで感じた緊迫感を知ったせいか、自衛隊派遣を巡る国会の議論を見てもどこか『現実感に欠ける人たちの話だな』と思ってしまう。多国籍軍への参加にしても、今は一歩間違うと日本が危ない方向に行きかねない課題が多い。僕の周りにも参院選に無関心な友人たちがいますが、彼らも関心がないことを『伝える』ことが選挙では重要だと思います」

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 たにざわ・そういちろう 大津市出身、21歳。宇都宮大学国際学部国際社会学科3年生。最近では03年3月、8月、04年3月にイラクを訪ね、現地の様子を講演会やインターネット上で報告。イラクと日本の学生交流も企画する。

 (06/16)


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