2004参院選
 
日系2世から見た教育(凪の行方 04参院選 託す思い)

現場変える人いれば 小山市立旭小非常勤講師・小桜やすこさん

 ――小桜さんは日本で選挙権がありませんが、できれば選挙に参加したいと思いますか

 「教育に携わる身として、本当に教育現場を変えることができる人がいれば投票したいと思うかもしれないが、今はそう思わない。ブラジルでは選挙に行かないと、罰金など厳しい処分がある。だが、その分候補者にお金で釣られて投票に行く人も多く、不正につながっていることも事実だ。私の周囲には日本人になって選挙権を得た知人も多いが、みんな選挙に興味がない。日本に住む外国人がさらに増えると予想されるなか、外国人対策を公約に入れる政治家がそろそろ出てきてもいいのではないか」

 ――ブラジルと日本の選挙の違いは何ですか

 「ブラジルのほうが若い候補者が多く、国民の関心はあると思う。大統領選挙に30代の候補が出たりもする。陣営によってはバンドを呼ぶなど、サッカーのように盛り上がる。日本は若い人が少なく、いつも同じ顔の候補者だ。もっと若い人が出てきてアピールできれば、日本の選挙も変わると思う」

 ――日本の学校教育についてどう思いますか

 「制度自体はいいと思う。子どもたちが均一の授業が受けられ、同級生はみな同い年だ。授業時間もブラジルより長く、仕事を持つ親は安心できると思う。ブラジルでは貧富の差が激しく、小学校の同級生の約半分は高校に進学しなかった。給食もなく、栄養不良で勉強に集中できない子もいた」

 ――日本の教育の問題点は何ですか

 「最近『ゆとり教育』などが始まったが、その分、受験などの準備で足りない勉強を塾でしている。その『ゆとり』と現実の差が子どものストレスになっている。日本の子どもはブラジルの子どものように言いたいことを相手に言わずに我慢して、最後は爆発する。先生が子どもたちのたまったストレスに早く気づき、軽減してやることが大切だと思う。だが、最近は熱心な先生が減ってきており、先生がサラリーマン化している。いじめがあっても『(児童の)親がうるさいから』などと見て見ぬふりをする。その積み重ねが長崎の女児の死亡事件の背景にもあるのかもしれない」

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 こざくら・やすこ ブラジル・サンパウロ州出身、36歳。日系2世。26歳で来日。派遣会社勤務などを経て、04年4月から小山市立旭小学校の日本語教室で非常勤講師を務める。外国人の子どもの教育問題などに関心を寄せる。

 (06/17)


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