2004参院選
 
危機感募る連合滋賀 <組織力 04年参院選:中>

●勝って求心力回復へ

  「だれが勝手に決めたんだ」

  大津市梅林1丁目の民主党県連本部。11日夕、党県連を支援する県内最大の労働組織・連合滋賀の幹部は声を荒げた。

  この日、連合滋賀は36の構成組織代表者会議で参院選への対応を協議し、民主党公認の立候補予定者の具体的な支援策を決めた。この結果を伝えた幹部に対し、党県連側は総合選挙対策会議を5日後に開くと切り出した。「何も聞いていない」。幹部は事前に相談がなかったことをなじった。

  さらに、党県連側が示した選対役員の名簿では、連合滋賀の幹部の名前が抜け落ちていた。幹部は「自分たちが選挙を支えているのに、何の配慮もない」と怒る。

  滋賀は「連合発祥の地」と言われる。89年に日本労働組合総連合会(連合)が結成される15年も前の知事選で、地評と同盟、中立労協、新産別の労働4団体と野党各党の共闘が成立し、いわゆる「滋賀方式」として全国の先進例となった。

  参院選では、この滋賀方式で80、86、89年に無所属候補らを担ぎ、自民党候補を破った。だが、その後は敗北が続いている。

  89年発足の連合滋賀には現在350組合が加盟する。組合員は7万4000人余り。県内の有権者約106万4000人の約7%に相当する。だが、その組合員数は、ピーク時の93年より1万人も減っている。大手労組の幹部は「賃金や労働条件の改善などで生活レベルがあがり、組合に解決を求めなくていいという風潮が広がっている」と、組合離れの背景を分析する。

  組合員数の減少は、組織の士気や求心力の低下を招いており、連合滋賀幹部の危機感は強い。前坂雅春事務局長は「自民党候補に勝つ選挙をして結果を出すことが、求心力を回復させて組織力を強めることにつながる」と言う。

  昨秋の総選挙では、県内4選挙区で、推薦した民主党候補4人のうち3人が自民党候補らを破って当選、あとの1人も復活当選を果たした。一方で、今年1月の大津市長選、3月の草津市長選では、民主党県連が推薦・支援した候補者が敗れている。

  連合滋賀幹部の一人は「選挙に勝てば民主がよくやった、負ければ連合が悪者になる。民主は連合に頼りすぎで危機感が感じられない」と不満を口にする。

  それでも今回は「勝ちにいく選挙」にこだわる。推薦を決めた民主党公認の立候補予定者は労組出身ではないが、今年2月に党県連が擁立を正式に決めると、幹部が中心になって事業所などを回り、名前と顔を売り込んできた。

  すでに候補予定者の陣営へ労組員を積極的に送り込み、てこ入れも図っている。「毎日が投票日」と訴えて期日前投票を積極的に促し、従来は不十分だった組合員が投票したかどうかの確認作業も徹底させる構えだ。

  民主党県連の朝倉克己幹事長は「生活を向上させるという志に連合との共通点がある」と支援を歓迎するが、「政党が労組に牛耳られてしまっては本末転倒だ。国民の幅広い支持は得られない」とも話す。

  民主党系の県議や市町議は少なく、地域での足場は十分と言えない。連合滋賀の支援は、まさに「頼みの綱」だが、労組以外への支持の広がりが勝利の条件でもある、と朝倉幹事長は見通す。

 (06/20)


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