2004参院選
 
「労組票」広がりに課題 <審判’04 参院選あいち>

●三菱、「選挙より再建」の声

  「選挙までは頭が回らないよ。とにかく会社が立ち直ってほしい」

  一般社員の給与5%カットや冬のボーナスカット、岡崎工場(岡崎市)の閉鎖時期前倒しなどを含む三菱自動車の事業再生計画の見直し策が発表された16日夕。岡崎工場の社員(50)は、こう言って家路を急いだ。

  三菱自動車労組岡崎支部の堺義和支部長は、厳しさを増した見直し策への対応に追われていた。

  急きょ上京して岡崎洋一郎会長兼社長ら経営トップから見直し内容について詳しい説明を受けた。夕方には岡崎工場に戻り、職場委員ら組合の主要メンバー約80人に内容を報告した。組合員からは「家のローンがある。支援策を考えて」などの切実な声が出たという。

  堺支部長は最近、組合の集会などで参院選について、こう訴えている。 「自分たちで解決しなければならない会社の問題と政治は別の次元のこと。選挙どころでないという気持ちは分かるが、とにかく投票に行こう」

  支部では今年初め、民主党現職の参院議員の後援会への入会を知人らに働きかける紹介活動を行った。公示後は投票をお願いする活動に入るが、「人の応援をする心境になれない」(40代組合員)との声もあり、組織外に動きが浸透するかは未知数だ。

●全トヨタ、支援組織を振り分け

  組合員51万人の連合愛知は、愛知選挙区の民主党現職2人の再選が至上命題だ。6年前は旧民社系労組が木俣佳丈氏、旧社会系労組が佐藤泰介氏をそれぞれ応援した。今回は、連合愛知が初めて仕切って支援組織を両陣営に振り分けた。

  6年前は木俣氏一本だった全トヨタ労連も、一部単組に佐藤氏支援に回ってもらった。アイシン精機や豊田自動織機などグループ中核企業の労組も含まれる。

  県教員組合出身の佐藤氏支援に対する「違和感」を指摘する声もあるが、豊田自動織機労組の役員は「2人当選が目標で、不満はない」と言い切る。全トヨタ労連の幹部も「決めたことはしっかりやるとげるのがトヨタのDNA」と胸を張る。

  着々と組織固めが進んでいるようにみえる全トヨタ労連だが、同労連出身の豊田市議は、こう指摘する。

  「組合は型通りやっているが、組合員以外になかなか広がらない。民主党の一連の騒動に『口だけで信用できん』という批判が根強い。与党への批判票が民主党に来ずに、投票しない無党派層が増える恐れがある」

  一方、共産党系の県労働組合総連合(愛労連)は、機関誌などで「自公政治の根本的転換を」と訴えている。組織として特定候補の支持を打ち出してはいないが、共産党現職の八田ひろ子氏を推す組合や組合員が多い。

  組織人員は現在約5万2000人で、減り気味なのが悩みだ。パートや派遣社員の組織化に力を入れる。事務局長の榑松(くれまつ)佐一さんは「リストラと賃下げで生活破壊は極限にきている。大企業に正面切って文句を言える人に当選してほしい」と話した。

 (06/19)


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