2004参院選
 
自公連立 <構図 04参院選へ:上>

 参院選の公示が24日に迫った。島根選挙区で候補者を擁立する自民、民主、共産、比例区での得票増を目指す公明、社民。主要5政党は何を考え、どう戦うのか。県内の組織を探る。

●保守王国影落とす「協力」

 「私どもも与党としてしっかり支える決意でございます。みなさまと力を合わせ、青木先生を中心に新しい島根をつくっていきたい」

 先月30日、松江市であった青木幹雄氏の事務所開き。司会の自民県議から「我が党の友党」と紹介された公明県本部代表の三島治県議は青木氏支持を誓った。それは、公明の組織票5万数千票の行方を意味した。

 その1カ月半前、平田市で開かれた公明の時局講演会には自民県議の多数が来賓席に並んだ。中央主導の自公連立は島根でも順調に見える。

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 「ホップ・ステップ・ジャンプ」。公明は昨年から今年にかけての統一地方選、衆院選、参院選をこう表し、最終目標の参院選比例区の1000万票得票を目指す。県内では、自民との選挙協力や与党の実績を訴えて躍進した昨秋の衆院選(約6万3000票)を上回る7万票が目標。その実現に向け、この3年で党員を3倍の3000人に増やした。自民への期待も大きい。

 だが、自民は比例区で建設業や医師会など職域代表ら33人の候補者を抱える。30人いる自民県議は、それぞれに重点支援する候補を2人以上担当する。衆院選で県連幹部が公言した「選挙区は自民、比例区は公明」との呼びかけは今回、党本部が6月初めに禁じた。

 それでも公明は、創価学会以外にも支持を広げるため、自民支持層が多い農村部を訪ね、「選挙区は青木さんを支持します。代わりに比例では公明をお願いします」と浸透を図る。党のマニフェスト(政権公約)でも農業政策を重点項目に挙げた。

 自民県議は「衆院選の選挙協力で保守層から得た支援者カードを使って、電話などで直接支持を求めているようだ」と話す。「与党としての実績は大きい」と言う三島代表は「農村部での公明が浸透するハードルが低くなったのは確か」と勢いを認める。

 選挙協力は国政にとどまらない。参院選後の市町村合併で選挙区が見直される県議選や市町議選もにらむ。公明は現在、県内8市10町に計23議員を持つ。自治体の規模が大きければ組織票で議員を増やし、議員不在の町村を減らすことができるとみる。系列の市町村議や首長が多い自民と協力関係を築ければ、合併を機に党勢拡大を期待できる。「地方議会に二大政党制は関係ない」と県本部幹部。

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 一方で、自民にとって合併後の不安は大きい。党参院幹事長の立場から青木氏不在が予想され、地元の陣頭指揮に立つ竹下亘・衆院議員は全市町村で得票率トップの「パーフェクトゲーム」を目指す。だが、町村長や町村議の多くは合併で失職する。地方交付税の削減が先行した三位一体の改革に対する市町村の不信感は強く、全59市町村にある地域支部活動が停滞するのは必至だ。

 さらに、小泉構造改革で公共事業や補助金は削られ、利益誘導で強力な集票力を誇った建設や農業など業界組織の弱体化も否めない。選挙前から陣営に漂う圧勝ムードも必然的に組織の停滞を招く。竹下氏は「県議や市町村議、地域支部に火を付けようと歩き回っているが、いっこうに盛り上がらない」と嘆く。

 保守王国を長く支えた地盤は、衆院選が中選挙区制だったころから、選挙のたびに組織をフル活動することで築かれた。自民県議の一人は今回の参院選を一つの契機と見る。「市町村ごとの党組織は参院選後にメルトダウンするだろう。地域支部ごとに戦う選挙はこれが最後だ」  (06/21)


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