2004参院選
 
擁立事情 <構図 04参院選へ:中>

●党代表交代で民主出遅れ

 「えらいで(大変だ)。出てもつまらんで」

 4月11日、参院選への立候補を決めた民主の神門至氏(42)は父、房義さん(70)に報告し、そう言われた。房義さんは故竹下登氏の後援会「きさらぎ会」の元会員で、同会は自民が擁立する青木幹雄氏とつながりが深い。「(神門氏の)地元斐川町は保守地盤。周りは大反対した」(連合島根幹部)。立候補の要請を受けて決断するまでには1週間しかなかった。

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 3年前の参院選。民主県連と連合島根は、県内からの独自候補を見送った。公示5日前になり、党本部が浜口和久氏を立てた。限られた時間で支持労組に知名度がない候補者を一から紹介しなければならなかった。今回、両者は「『落下傘候補』の苦い思いは繰り返さない」との認識で一致。連合島根出身の神門氏にも同じ思いがあった。

これまで労組のトップらが責任を取る形で立候補してきた。連合幹部は今回、そんな選挙とは違うと評価する。だが、党員の一人は「県内に人材がいない党内事情がさらけだされてしまった」と心配する。

 昨年11月の衆院選で松江市の民主比例票は2万4600票余りと自民を上回った。無党派層の支持を得たことは明白だ。陣営幹部は「労組の組織力に頼る選挙にあって、無党派層の票は読めなかった。今回の選挙では無党派層にとにかく候補者を知ってもらうことが大事だ」と指摘する。

 5月の大型連休中に約20万部の神門氏のパンフレットが完成した。神門氏と菅直人氏が握手を交わす写真を載せていたが、まもなく菅氏が党代表を辞任。労組の組合員が集める支持者カードはパンフレットとセットで、「どうするんだ」「配れない」という声が相次いだ。陣営はパンフレットの写真の張り替えに追われた。37の産別労組すべてに支持者カードが行き届いたのは、今月上旬だった。

 今回も民主は連合頼みの選挙にならざるを得ない。連合は選挙区のみでなく、産別労組がそれぞれに抱える比例区候補の支持者集めもある。連合傘下の組合員数は6年前に4万6000人いたが、現在は3万6000人まで減った。労組の選挙活動が縮小傾向にあることを、連合幹部も否定しない。「リストラで企業の業績がV字回復する中、組合活動に時間を割く余裕がなくなった」と言う。

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●候補見送り 社民に危機感

 松江市で今月13日にあった憲法学習会。社民の土井たか子・前党首は約150人を前に訴えた。「小さな党になればなるほど発言権はなくなる」「憲法9条を変えて戦争を肯定する時に生活は変わる。保守王国ほど平和憲法を守ってもらいたい」

 二大政党に埋もれた社民は昨秋の衆院選で全国的に議席を減らした。県連も2区で出島千鶴子氏を擁立したが、民主との連携がこじれて惨敗。このため今回は選挙区で候補者擁立を断念した。非自民の統一候補を立てるべく、民主幹部らと調整を図ったが、神門氏の立候補表明により、統一候補の話は消えた。神門氏を支持するかどうか、検討中だ。

 2月に県連代表を降りた日高勝明氏は「支持母体はわずかな市民グループと党員で、今のままでは活動の限界が見える」と現状を危惧(きぐ)する。比例区だけの選挙は盛り上がらないとしながらも、護憲を軸に何とか支持者を掘り起こしたいという。

 「護憲」と「創憲」という政策の違い。衆院選で相互協力を確認したにもかかわらず、対立候補を立てられたショックは大きかった。足立昭二幹事長は「神門さんがいい人でも政党としての付き合い方がある。衆院選のしこりもまったく消えたとは言えない」。  (06/22)


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