2004参院選
 
自衛隊派遣怖い、君が代にはジーン<ビバ!?ニッポン 若者の国家観:3>

大学1年 20歳女性

  愛媛大1年のナオミ(仮名、20歳) は松山市の進学校出身。高校時代は受験勉強に追われた3年間だった。教師から「偏差値のよい大学へ」 とハッパをかけられ、予習、復習に明け暮れた。疑問を感じることなく、偏差値を上げることに夢中になった。まわりの友人も同じだった。

  今は週3、4回、スポーツに汗を流し、友人の下宿でとりとめのない話をするのが楽しみ。「こうも高校と違うのか」 と戸惑ってしまう。

  現役で東京の難関私立大に合格・入学したが、居心地のよい場所ではなかった。輪になって話す同級生に壁を感じ、生活になじめない。自分なぜここを選び、何を勉強したかったのか。突っ走るだけで、突き詰めて考えたことはなかった。学校から足が遠のき、半年後に地元に戻った。

  父親は弁護士。新聞を熱心に読み、独り言を言いながら政治討論番組を見る姿を見て育った。といっても社会問題を説くわけでも、持論を押しつけるわけでもなかった。

  先日、受講した平和学の授業で戦争体験者の話を聞いた。人権を無視した軍隊生活や、天皇崇拝を徹底的に教え込む思想教育など体験に基づいた言葉は、重くこころに響いた。気がつけば、これまで知らなかった世界が広がっていた。抜け落ちた知識をむさぼるように新聞を読むようになった。

  自衛隊派遣は戦争に通じているようで怖い。平和に暮らせる日本は嫌いじゃないが、政治家は信用できない。テレビの中の政治家は相手の意見も聞かず、持論を説き続けるだけ。同じ戦争体験をしながら、戦前を懐かしみ、再軍備を望む人がいるのは不思議だ。

  それでも日の丸・君が代に抵抗感はない。小学校の体育館には日の丸が掲げられ、式典といえば君が代だった。そんな「当たり前」 を、なぜマスコミが問題視するのかピンとこない。今でもオリンピックなどで君が代が流れると、競技の興奮と相まってジーンときてしまう。

  漠然とした夢だが、将来は家裁調査官など裁判所で働いてみたい。法廷で一度だけ父親を見たことがあるが、その影響ではない。

●過半数が「9条改正に賛成」(愛媛・松山大で319人アンケート)

  「憲法9条改正に賛成するか」 の問いには「賛成」 「どちらかと言えば賛成」 との回答が52%に上り、改憲を容認する意見が半数を超えた。理由として「自衛のためには最低限の武力は必要」 (男・20歳)、 「自衛隊の存在を明記した方が良い」(女・18歳)、 「すでに憲法は守られていないから、現状に合わせるべきだ」 (男・19歳) といった意見が目立った。

  一方、改憲反対の理由としては「戦争に参加してほしくない」 (女・19歳)、 「平和主義は世界に誇れるから」 (男・21歳) などの意見があった。

  「他国が攻めてきたらどうするか」 との問いには、「正当防衛の範囲内で立ち向かうべきだ」 との意見が半数以上を占めた。ただ、「攻められる状況になる前に、国際協調のための努力をすべきだ」 (男・19歳) との意見も少なくなかった。

 (06/23)


 参院選 各都道府県のニュース   一覧>>

ニュースの詳細は朝日新聞へどうぞ。購読の申し込みはインターネットでもできます。
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 著作権 | リンク | プライバシー |
Copyright Asahi Shimbun. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission