2004参院選
 
(1)年金 不公平感解消できるか <争点の現場から>

 千葉市花見川区のノリコさん(59)は「年金をいくらもらえるのか」を知りたくて京葉銀行の相談会に訪れた。1年前、社会保険事務所に出かけたが、「まだお若いのでよろしいのでは……」と、にべもなかった。

 63歳の夫は厚生年金受給者で、ノリコさんが受け取る国民年金や個人年金を足すと、今後、毎月数十万円を受け取れそうだ。夫婦だけの暮らしで、2人とも今後、働く予定はないが、特に生活に困っていない。

 ●「相談」に殺到

 しかし、年金が収入のすべてになる。6月に成立した年金制度改革関連法は給付の抑制が一つの柱。医療費など予期せぬ出費の不安もあって、再計算を思い立った。

 「若い頃は年金に関心がなかったから」

 県内の地銀3行が無料で行っている年金相談が人気を集めている。社会保険労務士の資格を持った行員が、主に定年1〜2年前の人を対象にセミナーや個別面談を開く。

 近く退職金を預けてもらえるなど、銀行側にも「実利」がある。そのため、「失業保険と年金のどっちが得か?」など、受給者にとって最も関心のあることがらを解説してくれる。

 京葉銀行の佐藤健一さんは「年金は情報不足で損をしている人が多い。給付面でのサービスが不足している」と、相談を受けてきた感想を話す。自営業者らが加入する国民年金は「払い損になる面もあるから、納付状況が悪くなる」という。

 例えば、一定期間保険料を納めた夫が亡くなると、妻は遺族年金として、子の条件によっては12万〜32万円の一時金を受け取るか、60歳になってから、夫が受け取るはずだった基礎年金の75%を5年間受け取るかだ。

 これに対して、千葉社会保険事務局は「年金はいくら納付したら、いくらもらえるというものではなく、引退した世代を現役世代が支えるもの」と説明する。老後のための貯蓄ではない、と。

 ●世代間で対立

 そう割り切れる人は多くはないし、世代間の支え合いであっても、納付と給付の利害の対立は政治が調整するしかない。主な政党すべてに及んだ国会議員の「未納・未加入」は、問題の根深さに気づかせてくれた。

 同事務局によると、県内の国民年金加入者の納付率は62.2%(02年度)。01年度から02年度末まで、1カ月でも未納のあった人は約51万人、完全に納めていた人は約88万人だった。未加入者については「把握するすべはない」という。

 24日の参院選公示日、ある候補の第一声を聞いてた飲食店勤めの男性(22)は言った。「保険料を払ってないし、払う余裕もない。将来もらえなくても仕方ない」

 (06/28)


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