2004参院選
 
自民系無所属 御旗なし、改革叫ぶ<焦点細見>

 28日午後、福岡・天神の市役所前は人であふれた。参院選福岡選挙区の自民現職、吉村剛太郎氏の応援に小泉首相が駆けつけたのだ。

 「改革路線を後戻りさせないためにも、自民党、吉村さんに支援を」

 首相が吉村氏の右手を握り、高々と掲げた。党県連幹部は「挙党態勢の印象が強まった」と喜びを隠さなかった。

 福岡の自民は一枚岩ではない。01年参院選で次点だった元自民県議の古川忠氏が、無所属で名乗りを上げた。県議だった吉村氏が国政に挑む際、後継としたのは古川氏。支持層は重なり合う。

 古川氏は01年には公示直前に自民推薦を得た。党公認は別にいたが、当時、党幹事長だった山崎拓氏の後ろ盾が効いた。今回も古川氏は公認申請したが、頼みの山崎氏は昨秋の総選挙で落選。県連は「福岡自民に2議席独占の実力はない」と退けた。

 24日、古川氏の出陣式。あいさつに立った福岡市議は「前回の選挙は国会議員も応援に来たが、今回は(党の)締め付けが厳しい」と危機感をにじませた。

 党の公認、推薦のない候補者の支援は「反党行為」となりかねない。山崎氏本人はもとより、山崎派の国会議員や県議は表立っては古川氏を応援していない。

 竹中経済財政・金融相を前座に首相が天神で「改革」を叫んでいたころ、古川氏は福岡市の住宅街で選挙カーに揺られていた。

 小泉ブームさなかの01年、古川氏は「改革派」を看板に「小泉、山崎の改革の戦いに参加させてほしい」と訴えた。それから3年、古川氏は「改革」を訴えるが、「小泉」を前面に出すことはない。

 福岡(改選数2)

古川  忠(55)無新

津野 豊臣(60)共新

吉村剛太郎(65)自現

大久保 勉(43)民新

江頭 邦弘(63)無新

藤本  豊(53)無新

石原 倫理(47)諸新

   □   □   

 「年金を払っていない国会議員は、辞めてもらいましょう」

 24日、参院選宮崎選挙区の無所属新顔、松下新平氏の出陣式。自民の元参院議員、長峯基氏が声を上げた。自民現職、上杉光弘氏の年金未納への明らかなあてつけだった。

 「公認候補以外を応援すれば除名する」。自民党宮崎県連は警告していたが、長峯氏はあえて登壇。翌日、除名処分が決まった。

 01年参院選で、現職だった長峯氏に対し、「上杉派」が県議を押し立てて自民公認の座を奪った。長峯氏は無所属で立候補したが、敗れ去った。松下氏は、長峯氏の元秘書。構図は3年前と似通う。

 「当選しても、今の自民党には復党しない」。松下氏は自らのホームページでこう宣言した。公認から漏れた新顔は無所属で戦い、「勝てば官軍」で党に戻る――。自民にはこうした慣習が根強く残る。「今の」という部分に、復党の意欲を感じ取る党関係者も少なくない。

 ただ、2大政党化が進むなかで、違った様相もみせている。

 「比例は民主、選挙区は松下さん」。民主の玄葉光一郎・選対委員長は26日、宮崎市でこう訴えた。民主、社民両党は「反自民」の大義の下、松下氏支援に動く。

 松下氏の「造反」は民主、社民支持層も取り込んだ新しい流れにつながるのか。自民の派閥争いに終わるのか。

 宮崎(改選数1)

馬場 洋光(35)共新

松下 新平(37)無新

上杉 光弘(62)自現

 (06/29)


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