2004参院選
 
ひびきターミナル<問われるもの04参院選・北九州から>

 期待していた国の「お墨付き」は得られなかった。

 環黄海圏のハブポートを目指す北九州港。若松区の埋め立て地では、港の心臓部となる「ひびきコンテナターミナル(HCT)」の建設が急ピッチで進む。

 5月、韓国・釜山や台湾・高雄など世界有数の貿易港と渡り合うため、国が高規格化を後押しする「スーパー中枢港湾」の指定から、「現状の取り扱いが少ない」として漏れた。

 「ひびきはこれからやるんですから。実績がないからというのは腑(ふ)に落ちない」

 6月10日、北九州市議会。末吉興一市長は不満を隠さなかった。

 今年度末に稼働するHCT。国と市は1千億円を投じ、大型船が寄港できる水深15メートルの岸壁を整備した。市にとっては、06年に開港する新北九州空港とともに、低迷する市経済を再生させる頼みの綱だ。

 背後に広がる2000ヘクタールの埋め立て地のうち、利用されているのは4分の1だけ。市は「HCTが企業進出を促す『呼び水』になれば」と期待する。

 荷を呼び込む手は打ってきた。政府の特区構想に手を挙げ、通関業務が24時間できるようにした。IT化を進めて効率的に運営し、釜山並みに港湾利用料を落とす。入港から輸入許可まで通常で3日程度かかるのを、1日以内に縮めたいという。

 運営会社の最高運営責任者は、世界2位の港湾運営会社PSA(シンガポール)から迎えた。

 とはいえ、先行きは不透明だ。日本港湾協会によると、01年の北九州港のコンテナ取扱量は39万TEU(20フィートコンテナに換算した単位)で、世界の117位。世界3位の釜山(807万TEU)の5%弱に過ぎない。

 市内の既存のコンテナターミナル関係者は「市は新たな航路を開拓して住み分けるというが、荷の取り合いになって共倒れしないか不安だ」。

 スーパー中枢港湾の指定漏れも逆風だ。国は博多港とのセットで考えていたが、両港がそれぞれ単独で指定を目指したのが裏目に出た。「国に認められたというブランドが欲しい」(市幹部)というが、国と市との温度差は小さくない。

 どうすれば、事業を軌道に乗せられるか。

 九州国際大の男澤智治助教授(国際物流論)は「市は民間と一緒になって、海外から荷を呼び込むための物流システムの改善を提案し、政府が規制緩和などで素早くこたえる連携が大切」と指摘している。

 (07/01)


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