2004参院選
 
(3)少子化 育てやすさ整ってこそ <争点の現場から>

 2児の母ナオミさん(34)は、子どもをもつことに「リスク」という言葉をあてた。

 少年犯罪のニュースに触れると複雑な思いになる。「親は責任から逃れられない、子を持つとリスクが増える、そう考えるのが今の風潮のような気がします。成長を見守るうれしさはもちろんあるけど……」

 経済的な問題もある。共働きで、小学2年の長女(8)と4歳の次女がいる。次女は公立保育所に預け、長女は放課後から学童保育に頼んでいる。保育費用やPTAなどの費用、衣類費、食費などを入れると、子どもにかかる費用は毎月約10万円。家計の3割近くになる。

 2年前に結婚した妹(30)は、煩わしさが増えるだけと、子どもはつくらない主義という。「失敗しない人生を送ろうと思えば、子どもを持たない選択は当然なのかも知れない」

 ○「費用」が障害

 少子化が進んでいる。厚生労働省によると、1人の女性が一生の間に産む子どもの平均数(合計特殊出生率)は03年が1.29。千葉県の数値は第2次ベビーブーム後の76年に2.0を割り、03年は1・20にまで落ち込んだ。東京都(1.00)、京都府(1.15)、奈良県(1.18)に次ぎ、大阪府、北海道と並ぶ低さだ。県の世論調査(99年)では、「子どもを持つ上での障害」のトップが金銭負担(70.1%)だった。

 厚労省の最近の調査では、子ども1人が大学を卒業するまでにかかる費用は2100万〜2900万円とされる。養育関連費が消費支出全体に占める割合は、69年の8%が、99年には14.1%に増えている。

 かけ声はともかく、具体的な対応策はこれからというのが現状だ。

 県内の大半の市町村では、出産時に30万円の一時金が支給されるが、出産費用は20万〜40万円というのが一般的だ。国からは、小学3年の3学期末まで月額5千〜1万円の児童手当が支給されるものの、夫婦と児童2人のサラリーマン世帯で手取りの年収が780万円までなどの所得制限がある。

 ○選択に広がり

 習志野市の会社員ジュンイチさん(31)は03年9月に結婚。あと3年間は妻(32)と2人で過ごしたいが、いずれ子どもをつくる予定だ。「育児イコール金ではない。多少大変でも子どもは欲しい」と話す。

 佐倉市の教員仙波仁子さん(38)は昨年11月、初めての子を出産した。

 「産んでみて本当に良かった。公務員は育児休暇が取りやすいけど、会社によってはそうでないと聞く。仕事が忙しすぎるというのも、少子化の原因かも知れない。政治がそういう障害をなくしてくれたらいい」

 個人の選択は多様で、それぞれの生涯設計もある。ただ、子どもを産みやすい環境や仕組みがあれば、選択や設計が変わる可能性もある。

 ■少子化を巡る流れ

 71〜74年 第2次ベビーブーム。ピークの73年には約209万人が誕生

  04年4月 児童手当の支給対象が小学3年生の3学期末まで延長

  05年4月 次世代育成支援対策推進法(10年間の時限立法)施行。自治体や大規模企業は子育て支援の行動計画と目標値を掲げることに

    07年 国立社会保障・人口問題研究所の推計(02年1月)では、日本の人口減少が始まる

    50年 同推計では日本の人口は1億59万人、出生数は67万人  (06/30)


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