2004参院選
 
年金問題、世代間で関心に大きな差<2004参院選>

 高齢化率が全国一高い島根県は、国民年金保険料の納付率も全国一高い。02年度の納付率は全国で62.8%と過去最低に落ち込んだ。島根は76.4%で全国一だったが、前年度より9.9ポイント下がっていた。中盤にさしかかった参院選でも「年金問題」が大きな争点になっている。

 島根大を今春卒業した女性(22)は、国民年金への加入が義務づけられる20歳の時、学生納付特例で支払いの猶予を申請した。公務員になって返済するつもりだった。しかし、就職が決まらず、卒業後の2カ月間、月1万3300円の保険料は未納だ。今は大学院への進学を目指して勉強中。短期のアルバイトしかできず、書店の棚卸しを1日やっても5000円だった。

 保険料を段階的に引き上げる年金改革関連法案の強行採決をテレビで見た。「今は進学できるかどうかで精いっぱい。年金や政治に関心を持てる状況にはないけど、(強行採決は)頂けない。もうちょっと話し合ってほしい」。住民票は県外の実家に置いたまま。「投票にわざわざ帰るつもりはない」

 松江市の自営業の男性(30)は「(国民年金の保険料を)1回くらいは払ったと思うけど、いつから払ってないかは分からない」と言う。昨年の年収は150万円。借金は100万円ほど残っている。「払わなくていいとは思ってないし、(これまで支えてくれた人たちに)恩返ししたい気持ちはあるけど、今後の予測が立たない中では払えない」

 投票には行く。「応援したい人がいるから。この1票で日本を変えるとは言わないけど、最低限の主張という意味で投票は必要だ」

 松江市で開かれた年金に関するセミナーに参加した女性(56)は「何歳からいくらもらえるのか、いつどういう申請をしたらいいのかが最も知りたい」と言う。独身で、今年3月に35年以上勤めた会社を退職した。生活を変えたいと考えていた。企業年金や、年金型生命保険の年金給付を56歳から受けられるめどが立ち、踏ん切りがついた。退職前、会社から国民年金への加入を勧められ、退職と同時に手続きした。

 「私たちの世代は給付される年齢が近づいており、もらえることが目に見えている。保険料を払っていれば、最低限の生活はできるんじゃないかと思う。もし制度が崩れたら生活設計が大きく狂ってしまうし、不安になる」。投票には行くが、誰に、どこに投じるかは決めていない。

 木次町で開業している社会保険労務士の陶山垂美さん(69)は「『どうせもらえないから払わない』というのでは年金制度は崩壊する。選挙と一緒で、若者にも制度に参画しながら議論してほしい」と話す。投票率と同様に、国民年金保険料の納付率は若いほど低く、20代は50%に満たない。

 (07/02)


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