2004参院選
 
「奈良府民」どうみる 県人口の8分の1、大阪・京都に通勤

 大阪や京都に通勤する「奈良府民」。00年の国勢調査によると、その数は約18万人。県人口の8分の1を占める。朝はラッシュにもまれ、夜は急ぎ足で改札を出る。参院選奈良選挙区(改選数1)の候補者たちの肉声を聞く機会はほとんどないが、選挙戦をどのように見ているのだろうか。

 奈良市西部の近鉄富雄駅前。30年続く居酒屋は、午後6時を過ぎると帰宅途中の会社員らでにぎわう。

 大阪市内の金融会社で働く男性(51)は常連客の一人だ。15年前から富雄に住む。子供は3人。高校3年生の次女が受験を控え、学費がかさむ。5年前に子会社へ出向し、そのまま正社員に。「リストラですよ。給料も下がりましたし」

 職場で話題にのぼるのは大阪選挙区の候補者のことばかり。奈良のことは新聞で読むぐらいだ。

 いつも選挙前になると、「政治で世の中が良くなるかも」と考えてきたが、それが実現された気はあまりしない。だが、投票には行く。「この国を良くしていこうという熱意があれば、その人にかけてみます。選挙公報でも読みながら決めますよ」

     ◇

 運輸会社員の男性(46)は富雄に引っ越してきて18年。当時3歳だった長男はいま、大学3年生だ。

 数カ月前、家族で年金の話をした。息子の代わりに保険料を払うことを考えたが、「バイトしてるから自分で払うよ」と言われ、肩の荷が下りた気がした。

 大阪の職場では労働組合に入っている。組合の推薦する候補者が自分たちの生活のことを考えて政治をしてくれるのかは疑問だが、「みんなの苦労をわかってくれそうな人が奈良にいれば、投票には行きます」という。

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 隣駅の学園前に住む機械工具卸会社の営業マン(43)も1日の大半を大阪で過ごす。

 景気は上向いていると感じる。売り上げは昨年より25%ほど伸びた。だが小泉改革の成果というより、「買い渋りの限界が来ただけ」と思う。最近、3万円の支払いが滞っていた得意先に夜逃げされた。

 「島田紳助さんが応援に来ましたね」

 「辻元さん、3番手で通るんじゃないですか」

 得意先で出てくる参院選の話題は大阪選挙区のことばかり。でも、選挙戦の行方は大阪より奈良の方が面白いと思う。「大阪は3位まで当選するけど奈良は1位だけ。その分、1票に値打ちがあると思うんです」

 (07/09)


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