2004参院選
 
参院選公示「年金」「多国籍軍」問う 7月11日投開票

参院選が公示され、候補者の第一声に多くの人が集まった
参院選が公示され、候補者の第一声に多くの人が集まった=24日午前10時すぎ、東京・渋谷で

参院選が公示され、街頭での演説を聞く支持者ら
参院選が公示され、街頭での演説を聞く支持者ら=24日午前10時すぎ、さいたま市のJR大宮駅西口で

 第20回参議院選挙が24日公示され、7月11日の投開票に向けて、年金制度改革とイラクでの自衛隊の多国籍軍参加を2大争点とする選挙戦が始まった。自民、公明の与党は構造改革や外交面での「実績」を強調するのに対し、民主、共産、社民の野党は年金改革と多国籍軍参加などへの小泉首相の対応を批判。過去3年余りの「小泉政治」が問われる構図となっている。自民党は改選51議席(欠員の鹿児島選挙区を含む)が目標で、56議席以上を獲得すれば非改選議席と合わせて参院で15年ぶりの単独過半数(122議席)となる。選挙区(改選数73)と比例区(同48)を合わせた立候補届け出は320人で、前回01年の496人を大幅に下回り、比例代表制が導入された83年以降で最少。比例区への届け出政党数も8党で、過去最低だった98年と01年の14党を下回り、少数激戦となる。

●与党 小泉政権の実績強調

 小泉首相(自民党総裁)は24日午前、東京・渋谷で第一声。「経済に明るい兆しが出てきた。これを後退させず、大きな木に育てていくのが小泉内閣の責任だ。政治の安定なくして、経済の安定もない」と、景気回復はじめ「改革」の実績を強調して支持を訴えた。

 年金問題では、「(自民、民主、公明の)3党で複雑な年金制度の一元化を含んだ社会保障制度全体を見直す協議に入ることにした」とし、抜本改革に取り組む姿勢を示して理解を求めた。

 自衛隊の多国籍軍参加については「湾岸戦争の時の多国籍軍とは性格が違う。自衛隊は日本の指揮下に入り、活動は非戦闘地域に限る。日本にふさわしい支援をする」と説明した。

 首相にとっては、政権発足直後の01年7月の参院選、昨年11月の総選挙に続き3度目の国政選挙だ。勝敗ラインの51議席以上を獲得できれば、党総裁任期である06年9月までの長期政権が視野に入るが、議席が伸び悩めば政権の求心力が低下しかねない。参院選後には「宿願」の郵政民営化の具体案づくりも本格化するだけに、参院選の勝利で主導権獲得を狙う。衆院選のような「政権選択選挙」ではないが、政権の命運がかかる選挙のカギは、27ある1人区の行方となりそうだ。

 これまで、89年に宇野首相、98年に橋本首相がそれぞれ参院選敗北の責任をとって退陣した。衆院選のような「政権選択選挙」でないとはいえ、首相にとっては政権の命運がかかっており、27ある1人区の行方が勝敗のカギを握りそうだ。

 公明党の神崎代表はさいたま市で「安定した年金制度の持続に道筋をつけた。責任政党として、他党に先駆けて具体案を出し、年金改革をリードしてきた」と同党が主導した年金改革をアピール。多国籍軍参加問題でも「活動の実態は全く変わらない。手続きが変わっただけだ」と政府を支持した。

●野党 首相の政治姿勢批判

 民主、共産、社民の野党3党はいずれも、年金法の廃止とイラクからの自衛隊の撤退の2点を訴えの中心に置き、首相の政治姿勢を批判した。

 民主党の岡田代表は東京・新宿で第一声。「今回はとても大事な参院選だ。あのいい加減な小泉さんにはっきりノーと言うチャンスが来た。ストップ・ザ・小泉、ストップ・ザ・自公政権だ」とし、自民党を上回る議席の獲得をめざす考えを示した。

 民主党は、各種世論調査で7割の国民が年金法に不満を持っていることから年金問題を最大の争点に位置づける考え。岡田氏は、厚生年金の給付水準が当初の説明と異なり受給開始後に5割を割るとの試算が衆院通過後に判明したことや、法成立後に出生率が1.29であることが発覚したことを取り上げ、「中身もひどいが、後出しジャンケンで出してくるやり方が許せない。国民にとって大切な制度を首相は不誠実な説明でやり過ごそうとしている」と指摘。年金制度の抜本改革の必要性を強調した。

 また岡田氏は、国連のイラク新決議に基づく自衛隊の多国籍軍への参加問題でも「憲法の根幹にかかわる問題。しっかり議論しなければならないのに、首相は国会での説明を拒否した」と、首相の姿勢を批判した。

 共産党の志位委員長は大阪市で「自民・公明連合、民主党、共産党の三つの流れのどれが伸びたら国民の願いがかなうのかを見極めて欲しい」として、年金法の撤回を求め、自衛隊の多国籍軍参加も批判。消費税増税に反対する考えも示した。

 社民党の福島党首は横浜市で「国民の気持ちを無視し、踏みにじる年金法や、自衛隊の多国籍軍参加を行う暴走政治を食い止めよう」と訴えた。

(06/24 12:25)


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