2004参院選
 
参院選の各党ネット舌戦、実態が先行 法律上は未解禁

 11日投票の参院選を前に、各政党はインターネットのホームページ(HP)での政策アピールや候補者紹介に力を入れている。ネット上での選挙運動は法律上は解禁されていない。HPは日常の政治活動で広く使われており、その一環という解釈で、実態が先行した形だ。

 自民党のHPは、候補者の経歴やメッセージなどの一覧を載せ、比例代表の候補についてはインタビューを動画で流している。動画インタビューは初めての試みだ。八代英太・広報本部長が「活字での紹介では、人となりが伝わらない」と発案した。

 「テレビCMはキャッチコピー。HPは政策重視」が同党の戦略だ。年金やイラクなどの政策を図や表などを交えて分かりやすく説明し、政権与党としての実績をアピールするという。

 民主党のHPは、接続すると岡田克也代表の写真が大きく立ちあがる仕掛けだ。

 昨年の総選挙後、民間調査機関の調べで、同党の支持者は他党の支持者よりもネットで情報収集する人が多いという結果が出た。同党はアクセス数を増やすため、検索サイトなど計14サイトに広告を出している。

 選対幹部は「アクセスしてくる人は政治的な関心も知識もあり、口コミなどで他の人への影響力がある層が多い。テレビとは違った広がりがある」と話す。

 公明党は今年5月にHPをリニューアルした。参院選向けの政策を掲載し、公示後の神崎武法代表の動静も連日更新している。

 01年にIT推進室を立ち上げた。同室は「使いやすさを重視し、アクセスした人に満足してもらうようにしている。利用者の年代の偏りはほとんどなくなってきた。ネットは政党にとって今後ますます不可欠なメディアになる」と話している。

 総選挙に続いてテレビCMを見送った共産党も、HPでは政策や候補者一覧を載せている。

 記者会見などの動画を多用したり、ラジオCMを聴けるようにしたり、「映像や音声を通じて触れてもらうことを重視した」(党宣伝局)。

 利用者が、「年金」や「憲法」などのキーワードを検索サイトで調べると、同党のHPが検索結果一覧の上位に出てくるように内容を工夫しているという。

 社民党はHPを、より視覚的に訴える構成にする予定だ。ネット選挙戦が注目された一昨年の韓国大統領選では、選挙後に現地視察をした。

 今回はテレビやラジオ用の予算の一部をネットに振り向け、ニュースサイトに広告も出すことにした。選対幹部は「公選法がネット利用の実態に追いついていない。選挙運動の手段として認めていくべきだ」と語る。

 このほか、比例区に候補者を立てている、みどりの会議、女性党、維新政党・新風も、それぞれHPに政策や候補者紹介などを掲載している。

    ◇

 総務省は01年10月に、蒲島郁夫・東大教授を座長とする「IT時代の選挙運動に関する研究会」を発足させ、02年に報告書をまとめた。

 報告書は、HPとメールに分け、それぞれ選挙運動の手段とした場合の効果と課題を比較検討した。その結果、HPに限って「選挙運動の手段として追加することが適当」と結論付けた。メールについては、迷惑メールなどの問題があるとして除外した。

 HPによる選挙運動解禁に道が開いたかに見えたが、2年たっても公選法は改正されていない。実態は進んでいるのに、ネットをつかった選挙運動は法律上は認められていないのが現状だ。

 総務省選挙課は「国会議員の身分にかかわる公選法の改正は、議員立法によって改正されるのが筋だ。報告書をもとに各党各派で議論していただきたい」としている。 (07/01 08:49)


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