2004参院選
 
選挙報道に各党ピリピリ 終盤迎えた参院選

 投票日まで1週間を切った参院選で、メディアの選挙報道に対して各政党が神経をとがらせている。中でも自民党は、野党候補のホームページ(HP)の削除を要求したり、報道各社に「お願い」の文書やファクスを送りつけたり、際だった姿勢だ。

 公示5日後の6月29日、「みどりの会議」代表の中村敦夫候補とパロディー作家のマッド・アマノ氏に、安倍晋三・自民党幹事長と弁護士の連名で、通告書が配達証明で届いた。中村氏のHPに掲載しているアマノ氏のパロディーを名誉棄損だとして、削除するよう要求する文面だった。

 中村氏にHPのサーバーを貸与している会社に対しても、パロディーを「即刻削除するよう厳重に」通告したという。

 アマノ氏は、自民党のキャッチコピーの「この国を想(おも)い この国を創(つく)る」を改造し、「あの米国を想い この属国を創る」というパロディーをつくった。

 中村氏は「気に入らないから削除しろというのは表現の自由、言論の自由に対する暴挙だ」と語り、要求を拒否することを会見で明らかにした。

 自民党は「ネットでの選挙運動が解禁されていない中で、小泉首相を中傷するパロディーは、アマノ氏のHPへのリンクという形で選挙期間中も更新されている。公党の代表のHPであり、フェアプレーを求めた」(情報調査局)と説明している。

 自民党は公示直後の6月26日には、各メディアの200部門以上にあてて、「最近、一部テレビにおいて政治的公平・公正を強く疑われる番組放送がありました」とのファクスを送った。

 ファクスでは、報道番組で年金問題について意見を述べた大学教授について民主党寄りだとして、「多様な意見を番組に反映した公平な放送を強く望む」とした。

 30日には朝日新聞あてに甘利明・筆頭副幹事長名の通知書を送付した。同日付朝刊社会面(東京本社版)に掲載された「ママさん候補」の記事で、自民党比例区の女性候補2人について触れていないとして、今後各党の候補者を公平に取り扱うよう求めた。

 自民党は、いずれの文書も「お願い」だと説明。「表現の自由は最大限尊重している。その上で選挙期間中はメディアの影響力を認識していただき、公選法の規定通り、政治的公平性には十分配慮してもらいたいという趣旨だ」と強調している。

 朝日新聞東京本社の横井正彦社会部長は「政治的公平性にはもとより十分配慮している。自民党から指摘を受けた本紙記事は、『選挙区で』と明示した上で、選挙区候補にしぼって取り上げている」と話している。

 選挙報道に対してはほかの党も敏感だ。

 民主党は30日、仙谷由人政調会長名で「イラク多国籍軍への自衛隊参加に関する民主党の立場について」と題する文書を報道各社にファクスで送った。

 民主党によると、菅前代表と岡田代表で方針が転換しているなどと自民党幹部が批判しているが、批判は誤りであることを報道機関に注意喚起するものだという。

 民主党は、菅氏の発言と現在の同党の立場は「何ら矛盾するものではない」とし、「民主党に関する与党側の言い分は、民主党に確認して正確に報道してほしい」と要請している。

 公明党は、公示後に放送された民放番組の注目選挙区特集が「特定の候補者を中心にした内容でバランスを欠いていた」として、電話で抗議した。スポーツ紙にも同様の抗議をしている。

 共産党は4日、民放の報道番組に対して、同党の歴史にかかわる内容が事実と異なるとして、電話で抗議した。

 社民党は、今回はこれまで抗議などはしていないとしている。 (07/06 03:15)


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