2004参院選
 
年金、イラク派遣 党首の最後の訴えに有権者の反応様々

雷門前で有権者に最後のお願いをする候補者たち=10日午後7時、東京・浅草で、本社ヘリから
雷門前で有権者に最後のお願いをする候補者たち=10日午後7時、東京・浅草で、本社ヘリから

 年金制度のありようと、イラクに派遣されている自衛隊の多国籍軍への参加の是非と。私たちの暮らしとこの国のゆくえを左右する参院選の選挙戦最終日の10日、党首たちの最後の訴えに足を止めた有権者は何を思ったのか。11日は選択の日。

     ◇     ◇

 小泉首相はマイクを左手で握り、右手を振り回しながら叫んでいた。

 「高齢者と若い世代が支え合っていく!」

 「年金が減るじゃないか」のヤジも「いいぞ」のかけ声と日の丸の小旗の波にかき消された。

 午後7時40分、東京・浅草寺の雷門前。運送業を営む男性(51)は「年金は10年後、大丈夫なのか。小泉さんの口から聞きたいと思って」。また、著述業の女性(48)は「イラク問題から日本全体がきな臭い方向に進んでいる気がするから、首相の肉声を聞こう」と足を運んできた。街頭での「万歳三唱」にはついていけないが、「首相には行動力がある」とは感じた。「自民にするか野党か、帰宅してからじっくり考える」という。

 10日昼。民主党の岡田代表は宮崎市の繁華街を歩いた。

 「政権選択の時代になった。新しい政治を一緒につくりましょう」

 演説で最も力を込めたのはこの言葉だった。

 話を聞いていた無職の男性(67)は「どの状況も悪くなるばかり。流れを変えてほしい」――そんな気持ちが日増しに強まっているといい、選挙には「絶対、行く」。足を止めた女性会社員(34)は「強行採決の年金法案は、本当にそれで決まったのっていう感じ。決め方が怖い。国会にしっかりした対抗勢力を」と話した。

 4議席を11人で争う東京選挙区の多摩市。午後7時50分、公明党の神崎代表は街頭で声を張り上げた。

 「3000万人の年金生活者の生活を守ったのが公明党です」

 演説を聞いていた大学職員の男性(63)は「争点はイラクと年金。でも私は人物本位で選ぶ」。一方、買い物帰りの主婦(34)は「年金改革でもらえる年金が減る。将来が不安。だから投票する」と話した。

 午後6時半、東京・銀座。買い物袋を手にさげた主婦(46)は、共産党の志位委員長の演説に耳を傾けた。

 「ウソとごまかしで年金法を通した。もう、共産党が好きか嫌いかを言っている場合じゃないんです」

 この主婦は直前に、同じ銀座で小泉首相の訴えを聞き、「実績の強調ばかりで、未来が見えなかった」と感じていた。主婦は「投票には必ず行きます。もう入れるところは決めてます」。

 その30分前。同じ銀座の百貨店前でNPO(非営利組織)職員の男性(50)は傘をたたんで、道の向こうに立つ社民党の福島党首を見ていた。

 「明日の天気は変えられない。明日の政治は変えられる」。党首はイタリアのことわざを引き合いに投票へ行こうと呼びかけていた。

 男性は「2大政党では弱者が置き去りにされかねない。声なき声を代弁する人は貴重だ。でも……」。一票の投じ先を決めかねているという。 (07/10 22:00)


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