2004参院選

参院選:政策テーマ調査


候補も世論も「年金」争点 自民候補のみ「景気」


 参院選で最大の争点となる政策テーマは何だと思いますか。一つだけ選んでください――。朝日新聞社は東京大学の蒲島郁夫研究室と共同で24日の公示を前に、候補者と有権者に同じ質問に答えてもらい、「選ばれる側」と「選ぶ側」の意識を探った。選択肢は「景気・雇用対策」「年金改革」「イラクでの自衛隊の復興支援活動」「憲法改正」「郵政事業民営化」の五つ。候補者、有権者とも多数が年金を選ぶ中、政党別で見ると、自民党だけが景気・雇用対策を一番手に挙げる候補が多く、違いが際だった。

 候補者アンケートでは、(1)年金53%(2)景気17%(3)憲法7%(4)イラク5%(5)郵政0%の順。一方、有権者への世論調査では、(1)年金47%(2)景気24%(3)イラク12%(4)憲法10%(5)郵政3%の順に多かった。

 各党候補別で見ても、民主党は81%、公明党は44%、共産党は74%、社民党は53%が年金を選び、いずれも各党でトップだった。世論調査でも、年金は世代別、職業別、都市規模別、支持政党別のどの層をとっても、最大の争点に挙げていた。

 こうした中で、自民党候補者だけが、景気が43%と最も多く、年金は24%と2番目だった。有権者の自民党支持層を見ると、(1)年金43%(2)景気30%の順で、支持層とも「最大の争点」は食い違っていた。

 国民の負担増を求める年金改革が最大の争点になることを、できるだけ避けたい自民党の意識がうかがえる。

 さらに世論調査では、最大の争点を問う質問とは別に、「景気・雇用」「年金」「イラク」「北朝鮮」の四つのテーマについて、それぞれ投票する際の重視の度合いを「大いに重視」「ある程度重視」「重視しない」から選んでもらった。

 「大いに重視」を見ると、年金は61%を占めたものの、北朝鮮も49%、イラクも44%に上った。有権者の意識は、この二つの分野にも向いていることがうかがえる。

 北朝鮮を大いに重視する層で見ると今年5月の首相再訪朝について「評価する」「どちらかといえば評価する」が計72%に上った。逆にイラクを大いに重視する層の65%は、政府が国連決議に基づいて編成される多国籍軍に自衛隊を参加させることに「反対」と回答した。

 ■野党党首、「年金」前面に

 「やはり年金だ。国民にとって身近で切実な問題だ」(民主党の岡田代表)。主要5政党の党首(自民党は幹事長)にも、インタビューで最大の争点を聞いたところ、野党党首はともに年金問題に焦点を絞った。「100年安心の看板がはがれ落ちた」(共産党の志位委員長)。「客観的に見て年金問題だ」(社民党の福島党首)

 これに対し、小泉首相(自民党総裁)に代わって回答した安倍晋三幹事長は「(最大争点の)テーマは誰が決めるかというと、有権者が決めるのだろうと思う」と具体的なテーマを挙げなかったが、「今の順調な経済状況から改革の方向性は間違っていないと訴えたい」と述べ、「政権実績」を強調した。

 党首と候補者がねじれているのは公明党だ。候補者の傾向と違い、神崎代表は「争点になるべきなのは景気を本格軌道に乗せるにはどうすればいいかだ。与党的に言うと、年金はもう終わった話」と景気・雇用対策を最大の争点に挙げた。

    ◇

 〈本社世論調査 質問と回答〉

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文の一部と「その他・答えない」は省略)

 ◆参院選で投票する際に、あなたは(1)景気・雇用対策、(2)年金問題、(3)イラク問題、(4)北朝鮮問題、についての各政党の主張をどの程度重視しますか。((1)〜(4)についてそれぞれ選択肢から一つ選ぶ=択一)

 (1)(2)(3)(4)
大いに重視する30614449
ある程度重視する54293937
重視しない131110

 ◆今回の参院選で、最大の争点となる政策テーマは何だと思いますか。(択一)

景気・雇用対策24
年金改革47
イラクでの自衛隊の復興支援活動12
憲法改正10
郵政事業民営化

 ◆ご自分の選挙区で、投票する候補者を決めるとき、何を最も重視しますか。(択一)

候補者本人44
政党の政策48
政党の党首

    ◇

 《注》 候補者アンケートは、今回の参院選の立候補予定者を対象に5月14日から行い、6月24日にかけ回収できたものを対象にした。回収率は91%。全国世論調査は19、20両日、全国の有権者を対象に朝日RDD方式で実施。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答数は1810件、回答率は52%。主要5党首へのインタビューでは「最大の争点は何か」などを聞いた。

(朝日新聞2004年6月24日夕刊紙面)





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