2004参院選

本社出口調査


動いた「積極無党派」 出口調査分析



 11日投票の第20回参院選で、民主党が自民党を上回る議席を獲得できたのは、無党派層が当初の予想を超えて民主に大量得票をもたらしたことが大きな要因になっている。とかく「無関心だ」「棄権が多い」と言われがちな無党派層だが、投票所に足を運ぶ「アクティブ(積極)無党派層」は着実に増えており、政策課題に敏感な投票行動が際立っている。彼らの心をいかにつかむかが、勝敗の分かれ目になる。

 無党派層に棄権が多いことは間違いない。グラフに示す通り、朝日新聞社が今月1〜3日に実施した今回参院選の情勢調査では無党派層が回答者の48%も占めていたのに、投票当日の出口調査では23%に減っており、いかに投票に行かなかったかを示している。

 この比率をもとに換算すると、無党派層の「投票率」は約27%。確かに低いが、同様に算出した「投票率」は、小泉内閣になってから01年参院選で21%、03年衆院選で23%となり、アクティブ無党派層が徐々に増えていることが分かる。

 情勢調査で比例区の投票予定を決めた人に投票先を聞いたところ、無党派層はグラフのように自民29%対民主46%で民主リードだった。それが選挙当日には自民15%対民主49%と、リードは飛躍的に拡大した。

 こんな例は過去にも数多くある。自民が大敗した98年参院選では、情勢調査では無党派層の比例区投票予定は自民32%対民主(自由を含む)30%と自民優勢。ところが実際の投票では自民10%対民主40%と、予想を裏切る結果となった。

 アクティブ無党派層はその時の政策課題に敏感に反応し、それが場合によっては短時間で極端にぶれやすい投票行動に結びつく。今回選挙の出口調査で、政府の年金政策に最も厳しい回答をしたのは彼らで、「大いに評価する」「ある程度評価する」を合わせても21%と、あらゆる政党支持層の中で最低だった。

 彼らは、投票直前までどの候補(政党)に投票するかを決めない。朝日新聞社が2月に実施した「選挙に関する意識調査」によると、いずれかの政党を支持している層は選挙公示前に70%が投票先を決めているのに、アクティブ無党派層は「選挙当日」が19%もあったのを含め、66%が公示後に決めている。

 公明支持層を味方につけている自民に対し、民主の頼りになるのがアクティブ無党派層であることは間違いなさそうだ。

(朝日新聞2004年7月12日夕刊紙面)


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