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12月02日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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第2部 3大学の学生によるプレゼンテーション

知識と対話から生まれる相互理解
~移動キャンパスでの共同学習・共同生活を通して~

立命館大学文学部 奥村 一穂(おくむら・かずほ)さん、吉積 皓平(よしづみ・こうへい)さん
広東外語外貿大学 肖 睿(シャオ・ルイ)さん、崔 紫茵(ツイ・ツーイン)さん
東西大学校 金 善敏(キム・ソンミン)さん、尹 恩相(ユン・ウンサン)さん

 キャンパスアジア・プログラムでは、1年をかけ、30人が一緒に中国、日本、韓国を順に回り、それを2周繰り返します。1年目にできずに後悔したことや、失敗したことを2年目にやり直せるという利点があります。

奥村 日本、中国、韓国についての勉強を重ねているため、文化的な違いから起こる衝突を放っておかず、相手の行動の理由を理解しようとする姿勢が備わっていきます。今では複雑な問題にも、それぞれの立場に立って考えられるほどに3カ国に対する理解が深まっています。

 日本ではシェアハウスで30人が一緒に生活を送っています。ゴミの分別など習慣の違いによる衝突もたまにありますが、お互いの文化や生活習慣を理解し、言語を勉強するにはとてもいい環境です。

 僕たちは日常少し変わった言葉で会話をしています。基本的に、日本人には日本語、韓国人には韓国語、中国人には中国語で話しているけど、一部分を母国語のままにしたり、わざと外国語に変えたり。それをキャンパスアジア・プログラムの頭文字をとって、CAP語と呼んでいます。

奥村 ちょっとCAP語を聞いてみよう!

 づみ、さっきの発表、大丈夫だったかな?

吉積 很好だったよ!그치,은상아

 그래 그래.那结束后一起去吃やきにく吧!

 好啊 たのしみ~

奥村 同じ会話を日本語で聞いてみようか!

 づみ、さっきの発表、大丈夫だったかな?

吉積 めっちゃよかったよ!なぁ、ウンサン!

 うんうん、じゃあ終わったら焼肉食べに行こう!

 いいね!たのしみ~

 学校では1年目は語学を重点的に学び、2年目の今年は専門授業の比重が大きくなっています。「キャンパスアジア演習」では、「20年後の東アジアへの提言」というテーマで、東アジア共同体実現の可能性や東アジア不戦条約などの問題を取り上げました。私の班では、反日・反韓・反中感情の緩和、国民感情に向けての提言をしました。言い争うこともありましたが、同じ問題でも国によって歴史認識や視点が異なることを理解できました。

 去年の8月、東日本大震災被災地を訪問したのですが、何もない荒廃地を目にして自然の力の恐ろしさを実感しました。そこで復興のために努力を続けている方々にお会いし、話をうかがいました。震災を乗り越え、より良い明日にしようとする東北の方々の姿に感銘を受けました。

吉積 プログラムの目標である「東アジアの次世代人文学リーダー」とは何なのか、30人の考え方は違います。しかし、「東アジアのより良い未来」を願う気持ちは同じで、以前は自国の視点でしか見えていなかったものが、より多角的な視点で捉えられるようになったと話す学生も多いです。現在、日中韓関係は過去最悪と言われていますが、私たちのような学生が増えていくことで、東アジアの将来が良い方向に向えばと思っています。