朝日 地球会議2017特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇

朝日 地球会議2017 特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇 広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

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未来の社会を変える
究極のエネルギー“水素”

田中 義和 トヨタ自動車 Mid-size Vehicle Company MS製品企画 ZF チーフエンジニア

10月1日から3日まで、東京のイイノホールと帝国ホテルで国際シンポジウム「朝日地球会議2017」が開かれた。パネル討論「水素社会が日本を救う!? ~自動車、ロック公演、料理……広がる超クリーンエネルギーの世界」では、持続可能性のある「水素社会」の実現に向けたトヨタ自動車の取り組みや考えが示された。

日常でも利用されより身近な存在に

水素社会実現に向けたトヨタ自動車の取り組みを語る田中義和氏

酸素と結びついても水にしかならず、二酸化炭素(CO2)を排出しない〝究極のクリーンエネルギー″といわれている水素。討論は、その必要性からスタートした。日本は、2015年に結んだCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)のパリ協定で、温室効果ガスの削減目標として「30年度に13年度比26%削減」という中期目標と、「50年度に13年度比80%削減」という長期目標を掲げている。水素は次世代エネルギーの本命として注目され、日常で使われる場面が増えているという。

神奈川県藤沢市にあるイタリアン料理店「リベロ」では、都市ガスやプロパンガスではなく、水素ガスを使用して調理している。水素ガスは燃焼すると水蒸気を発生して食材を包み込むように焼くので、蒸し焼き状態になる。そのため、水分やうまみを逃すことなく、ふっくらジューシーでおいしく焼きあがるそうだ。

また今年、ロックバンド、LUNA SEAの結成記念日である5月29日に開催されたライブでは、ギターのSUGIZOさんの機材とコンサートグッズ売り場のすべての電源として水素燃料電池車(FCV)を使用。トヨタもFCV「MIRAI」を提供して協力した。その理由をトヨタのFCV開発責任者である田中義和氏はこう話す。

「14年にFCVのMIRAIを発売しましたが、まだまだ十分に認知されていません。そうした中、音楽を通じてFCVや水素の可能性を多くの方にアピールしていただけるのは、トヨタにとって非常にありがたいことです。音楽を聴いた人に水素のことを知ってもらい、必要性を感じてもらえる、非常にいい場になると思いました」

今年の12月23日、24日に行われるLUNA SEAのコンサートでは、メンバー全員の楽器の電源を水素にする計画で、トヨタも協力する予定だという。

課題解決に向けて各地で行われる試み

会場には燃料電池自動車「MIRAI」を提供

非常に多くの可能性を秘めている水素だが、水素社会の実現には「コストの安い水素を大量に供給できるか」「CO2フリーの水素製造方法をいかに早く実現させるか」「インフラ整備をどう進めるか」といった課題もある。こうした課題を解決するため、各地で実証実験やプロジェクトが進められている。

その一つが、北海道の帯広に近い鹿追町で行っている、牛ふんからメタンガスをつくり、水素を取り出す試み。牛1頭の年間のふん尿量で水素を約80キロつくることができ、FCVが約1万キロ走れる計算になるという。自家用車の平均年間走行距離が約1万キロなので、牛1頭でFCV1台の年間燃料をまかなえるそうだ。

京浜臨海部では、「燃料電池フォークリフト導入とクリーン水素活用モデル構築実証」が行われている。横浜市風力発電所でつくられた電気を使い水を電気分解して水素を製造し、倉庫や工場の燃料電池フォークリフトに利用するもので、トヨタも参画している。

「FCVが走る時にCO2がゼロであっても、水素を製造する際にCO2が発生しては意味がありません。燃料電池で使う水素をいかにクリーンにつくるかが重要です。そのために実証をしています。また、フォークリフトは閉鎖空間で使ったり、食料品を運ぶのに使ったりするので、ガソリンフォークリフトは使いにくい。さらにエネルギー充填(じゅうてん)時間が短く航続距離が長いのはフォークリフトにおいても非常に重要だと聞いています。燃料電池フォークリフトなら高い環境性能と利便性を持つため参画させていただきました」

水素ステーションのインフラ整備についても、トヨタは他社と連携して新会社を立ち上げ取り組んでいくという。

FCVを中心としたトヨタの取り組み

水素社会の実現に向けて様々なことに取り組んでいるトヨタ。その核となるのは「MIRAI」を中心としたFCVだ。

「トヨタには『産業報国』という、車を作ること、産業を興すことで社会経済に貢献したいという思いがあります。まさにエネルギー分野の取り組みは、日本の将来にとって大きな意味があると思います。明るい未来のためには水素社会を実現する必要があると考え、燃料電池技術に取り組み、世界に先駆けFCVを市販しました。従来の車とは異なり、MIRAIの開発にはそうした意味も込められています」

燃料電池ユニットは乗用車だけではなく、バスやトラックなど大型車にも適用可能である。東京都はトヨタの燃料電池バスを導入。さらにトヨタはセブン‐イレブンと協力して物流に燃料電池トラックの実証実験を行う計画で、商用トラックの開発も進めている。

「トヨタでは、車の使用目的や用途に応じて適切なパワートレインがあると考えています。大型車はディーゼルエンジンなど環境的にまだ厳しい面があります。そのため、大型の商用車をFCVにするのは社会的意義が大きいのです。特に大きな車両には電気自動車(EV)よりもFCVが向いているので積極的に取り組んでいます」

最後に水素社会実現に必要なことを問われた田中氏は、自動車メーカーとしてのトヨタの考えをこう語った。

「水素社会における車の役目は、切り込み隊長として先例を作ることだと思います。水素は大きな可能性がある一方で、一般的にあまりなじみがない。だから『怖い』『大丈夫?』という声をよく聞きます。身近な車で普通に使われるようになれば水素が特別なものでなく、水素に対する理解も進むと思うので、先例をつくっていきたい。そのためには、コストを下げて、水素社会につながるイノベーションを行う。そしてMIRAIをもっと良い車にし、多くのお客様に選んでいただけるようにすることが重要だと思います」

田中 義和

トヨタ自動車 Mid-size Vehicle Company MS製品企画 ZF チーフエンジニア

1987年京都大学大学院工学研究科を修了し、トヨタ自動車入社。初代ヴィッツの新型A/TやFR用多段A/Tの開発担当等を経て、2007年より開発責任者としてプリウスプラグインハイブリッドの製品企画を担当。12年より燃料電池車(FCV)開発責任者として製品企画業務を担当。

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