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JAIST   BREAKTHROUGH / JAIST SYMPOSIUM 2018
Japan Advanced Institute of Science and Technology
JAIST シンポジウム2018 in 東京
Breakthrough
ワーク・スタディ・バランスでキャリアを築く

「人生100年」で広がる
働きと学び
多様な選択肢こそ成長への道

日本人の平均寿命が伸び続け、「人生100年」と言われる時代になりました。将来の働き方や学び方も大きく変わりそうです。そんな中で、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)はシンポジウム「Breakthroughワーク・スタディ・バランスでキャリアを築く」を11月10日に東京都内で開きました。イー・ウーマン代表取締役社長の佐々木かをりさんが基調講演し、茂木健一郎さんや小島慶子さん、修了生らを交えたパネルディスカッションを展開しました。活発な意見交換が交わされた当日の模様をお届けします。

基調講演│
人生100年時代のキャリア形成

ダイバーシティは
「3人寄れば文殊の知恵」

株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長 佐々木かをり

シンポジウムではまず、佐々木かをりさんが講演を行いました。

「ダイバーシティ」とは「多様な人が活躍できる環境をつくること」から始まります。今の日本では制度改革と関連づけてよく使われます。「女性管理職を何割にする」「LGBTの立場に配慮して従業員規則を変えた」といった宣言をする企業も増えています。

しかし佐々木さんは、「仕組みを変えるのは第一歩。真のダイバーシティはその後が大切」と指摘。本当に大切なのは「組織の中にどれだけ様々な物の見方があるかということ。10人いれば10通りのアイデアが集まって議論できるかどうか」だといいます。制度ではなく「視点のダイバーシティ」こそが本質というわけです。

実はダイバーシティという言葉、日本人が初めて向き合うものではありません。佐々木さんによれば、ことわざの「3人寄れば文殊の知恵」~一人だと頭を抱える課題でも、3人集まれば良い考えが浮かぶ~がまさにダイバーシティ「そのもの」。ダイバーシティの本質は「日本に昔からあった考えです」とわかりやすく解説しました。

では私たちは、個人レベルでどうダイバーシティに取り組めばよいでしょうか。佐々木さんは、個人が蓄えると役立つ「3つの力」を紹介しました。具体的には次のような力です。

  • ①自分を「シェア」する力…自分が何を考えているのかを伝える力。一般化せず、常に「私は」という主語を使って話す訓練をしてみるとよい。
  • ②自分を「マネジメント」する力…時間管理の力。残業を減らして早い退社を求める風潮が強まっているが、早く帰っても仕事のことが頭に残るようではかえって良くない。大切なのは、高い成果を出すために「自分を予約する」時間管理法だ。
  • ③人とつながる「ネットワーク」の力…名刺交換する力ではない。脳が活性化してくるような刺激を受けられる、前向きな人たちとつきあうことが大切だ。学びの場を増やすことで、自己の「内なるダイバーシティ」も深まる。

こう話した上で佐々木さんは最後に「多様な人が活躍でき、様々な視点が集まることは、生産性向上やイノベーション創造など様々な成果につながります。ダイバーシティと はつまり、組織全体にとっても、社会にとっても、また私たち一人一人にとっても『成長』していくためのキーワードなのです」とまとめました。

ささき・かをり/国際女性ビジネス会議実行委員長のほか、小林製薬、日本郵便、エージービー各社の社外取締役などを務める。内閣府、厚生労働省の政府審議会委員なども務める。著書多数。国内外での講演は1500回を超える。

パネルディスカッション│
ワーク・スタディ・バランス 
未来の働き方とは

長生きの時代、
常にチャレンジの気持ちを

脳科学者 茂木健一郎
タレント・エッセイスト 小島慶子
JAIST教授 東条 敏

基調講演の後、パネルディスカッションが行われました。講演に引き続き佐々木かをりさん、脳科学者の茂木健一郎さん、タレント・エッセイスト小島慶子さん、JAIST教授、修了生が参加して、未来の働き方や学び方がどのように変わるのかなどを自由に討議しました。(コーディネーターは竹原大祐・朝日新聞社教育総合本部ディレクター)

JAISTは社会人経験者が入学したり、海外からの多数の留学生を受け入れたりして文字通り「多様性」に富んだ教育機関です。

パネル討論では最初に、多様な生き方を実現している2人のJAIST修了生が話しました。

小林幹門さんは2004年にJAISTに入り、博士号を取って2009年に修了。大手電機メーカー、コンサルティング会社、監査法人などを経て、今年10月に今の三菱UFJ銀行に入りました。JAISTを選んだ動機は、「最初は文系の学部に入学したが、IT戦略に興味を持って理系志向に変わった。大学院を選ぶ中で、広く受け入れてくれるJAISTを見つけた。国立なので経済的にもやさしかった」。今の仕事については「これまでの経験を活かし、銀行の業務とシステムの変革に寄与することが直近の目標」と話しました。

もう1人のOBは坂本竜基さん。JAISTで博士課程を出た後、大学教員になって研究者人生を歩んでいました、しかし突如として会社を起業。3次元画像処理技術の専門を生かし、画面上の物体を回して「厚み」が分かる見せ方を研究しています。目標は「次世代メディアの創造」。テキスト、画像、動画と進化してきた中、「ポスト動画となるメディアを先に作り躍進したい」といい、それが「3D映像」なわけです。

JAISTからは最先端の人工知能を研究している東条敏教授が参加。AIの歴史や未来への展望について説明しました。

これを受け、「AIで人間は幸せになれるのか」という問題提起がなされました。小島さんは「今は何が正解か分からない時代。幸せに正解があると思うこと自体が不幸を生むのではないか」と話しました。

さらに「今までの学びや学び直しに対する考え方も柔軟性や多様性が求められている」という話題に展開。その流れで、JAISTは面接だけで合否が決まり、年をとっても入学可能であることが話題になると、約450人が入った会場から「おー」と歓声が上がりました。

JAIST修了生 小林幹門三菱UFJ銀行 システム本部
システム企画部調査役
JAIST修了生 坂本竜基電駆ビジョン株式会社
CEO

すかさず茂木さんは「準備運動を始めた人が10人ぐらいいますね」と会場の雰囲気をくみ取ります。

茂木さんはさらに「多様な学び」の話を展開しようと、聴講していた高校生を手招きして壇上に上げました。東京都の都立高校1年生の弓削田孟君。数学と物理が好きで、ネットで論文を引き出しては読んでいます。

弓削田君は浅野学長に「科学研究をするために、高校の間にやっておくべきことは?」と質問。浅野学長が「一つのことに集中しすぎず、もう1つ関心の対象を持って欲しい。一つに絞ってしまうと、その研究が失敗したとき立ち直れなくなってしまうから」とアドバイスしました。

ここで、ひょんなことから東条教授が、数式の空欄に数字を当てはめていく難問パズルを投影。会場で考えるはめになりました。みんななかなか解けません。

「これはAIなら0.01秒で解けてしまう」と東条教授は説明。

「では次はどうでしょう」。白い厚紙にあいた穴に、工夫してCD盤を通すゲーム。

「あ」

壇上にいた弓削田君が気づいて紙とCDを受け取り、見事通しました。

「おー」

会場から拍手が起きました。

「これが、人間が出来ることとAIが出来ることの違いです」と東条教授が解説しました。

茂木さんは「年齢不問なのだから、今の問題が解けた高校生をJAISTに入学させても良いのでは」と質問。浅野学長は「さすがに高校生の入学は無理です」と笑いながらも、「しかしいずれは日本でも若いうちに高等教育を受けることが可能になるようにしたい。それがさらなる多様化につながる」と説明しました。

最後に、パネリストがまとめの発言をしました。小林さん、坂本さんは「今やっていることを極めつつも新しいことに取り組んでいきたい」と、未来への「野望」を語りました。小島慶子さんは「長生きするなら変化し続けないともったいない。やったことがない勉強にチャレンジすることも一つの選択肢。その受け皿にJAISTがなって欲しい」と期待を込めました。

高校生の飛び入りがあったり、予定にないパズルに挑んだり。シンポジウムもテーマと同様「多様性」あふれる賑やかなものとなりました。

問題について説明する東条敏教授。真ん中にいるのが弓削田孟君。
もぎ・けんいちろう/1962年生まれ。東京大学、大阪大学、日本女子大学非常勤講師。ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。専門は脳科学・認知科学。脳と心の関係を研究するとともに、文芸・美術評論にも取り組む。
こじま・けいこ/TBSアナウンサーとしてテレビ・ラジオで活躍。2010年に退社後はタレント・エッセイストとして活躍。夫、2人の子供とオーストラリアに移住し、仕事のある日本と往復する生活を送る。
とうじょう・さとし/東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、三菱総合研究所を経て1995年にJAIST助教授となり、現在は知能ロボティクス領域教授。
JAIST博士課程修了後、東芝ソリューション、アクセンチュア、監査法人トーマツを経て現職に至る。
JAIST博士課程修了後、和歌山大学専任講師、ヤフー株式会社先端技術応用室長を経て現在の会社を起業。次世代画像の開発と普及を推進する。

学長浅野哲夫

「意欲」と「考える力」が
入学の条件
学び直しに活用も

JAISTは1990年、学部を持たない日本初の国立大学院大学として誕生。科学技術に特化した高等教育機関として、修士、博士合わせて約7000人の修了生を送り出してきた(2018年11月時点)。かつては情報科学、マテリアルサイエンス、知識科学の3研究科があったが、現在は「先端科学技術研究科」の1研究科に統合。様々な専攻を融合させた多彩な研究が学べる。

JAISTの最大の特徴は、幅広く門戸を広げて学生を受け入れていること。入学者選抜では筆記試験がなく、面接のみで合否が決まる。問われる内容も「知識」ではなく、何を研究したいのかという「意欲」と「考える力」だ。「学校で勉強し直したいが、筆記試験対策をする時間がない」「大学の学部では文系を学んだが、理系の勉強がしたくなった」と考えている人たちに広く門戸が開かれている。