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共生社会の実現を、子どもたちと共に 障がい者スポーツ体験授業共生社会の実現を、子どもたちと共に 障がい者スポーツ体験授業

静岡県静岡市立森下小学校 ブラインドサッカー静岡県静岡市立森下小学校 ブラインドサッカー

障がい者アスリートが全国の小学校を訪問する「チャレンジド・ビジット」。
障がい者スポーツの魅力を伝え、挑戦することの大切さや共生について考えてもらう授業が静岡市立森下小学校で開催されました(2018年12月7日)。
ブラインドサッカーの体験授業の模様をレポートします。

「見えない世界」でプレーするブラインドサッカー

 2018年度の5回目となる「チャレンジド・ビジット」で、6年生の児童が体験したのはブラインドサッカー。まず日本ブラインドサッカー協会の高山ゆずりさんがルールを説明した。転がると音が出るボールを使うことで位置や転がり方を把握する。試合中は目の見える監督、ゴールキーパー、相手ゴールの後ろに立つガイドが指示を出す。協力し合うことが大切だ。また見えないと言っても、全く見えない人もいれば、光を感じる程度の見え方の人もいるので、平等を期すためにアイマスクの着用が定められているといった、独自のルールに児童たちは興味津々の様子だった。

 「どのようにプレーするか見てもらいます」と、デモンストレーションでは名古屋のチームで活躍中の渡邉昌之選手がプレーを披露。高山さんが声を出してボールを送ると、しっかりトラップしてパスを返す。ゴールポストを叩いて位置を知らせ、体の向きを調整し「まっすぐ!」という合図で渡邉選手の蹴ったシュートは見事にゴールを割った。「うわーっ!」「すごい!」、ボールが見えているようにプレーする姿に、児童たちから大きな歓声が上がった。


周囲のサポート、分かりやすい声がけが大切

 次に、児童たちもアイマスクをして歩いてみた。初めての体験におそるおそる足を踏み出す児童もいる。「見えない人の気持ちが分かりますね」「だからこそ周りの人のサポートが必要です」と高山さん。ガイド役の児童が「あと5歩前に」「少し右に」と大きな声をかけると、足の運びがスムーズになっていった。見えない世界に徐々に慣れ、最後はチーム対抗でパスやシュートの正確さを競うゲームに挑戦。応援で、サポートの声が聞きづらくなるほど大いに盛り上がった。

 「見えない人のことを考えて、分かりやすく正確に伝えることは、今日の体験だけでなくこれからほかの授業でも役に立ちますよ。またチームで協力し合う大切さも分かったと思います」と高山さんが体験の時間を締めくくった。


初めての体験に感動、そしてアスリートのスゴさを実感

 「アイマスクをすると普段プレーしているサッカーとは全然違うものになりますが、むずかしさが楽しさになった」「障がい者スポーツってどんなものか知らなかったけれど、すごく興味をもちました」「見えない世界のスポーツを体験できて良かったです。大変だけど、とても楽しかった」と児童たちは感想を述べた。また担任の一人である萩田先生は「児童たちは、目の不自由な方の『不自由さ』について頭では分かっていたと思いますが、今日の体験で、実感として理解できたと思います。また同時に渡邉選手のハツラツとプレーする姿に感動を受けたようです。私自身もアイマスクをしてプレーしましたがとても動けませんでした。渡邉選手がどれだけ素晴らしいアスリートか分かりました」と語った。


思いやりをもって、共に生きる、渡邉選手からのメッセージ

 授業の最後に渡邉選手が児童に呼びかけた。「ブラインドサッカーを楽しみながら見えない世界を体験してもらい、周りのサポートの大切さを分かってくれたと思います。これからもブラインドサッカー、パラリンピックスポーツの選手の頑張りに注目して、応援してください。また街で障がいのある人を見かけたら、少し勇気を出して声をかけてください」。障がいのあるなしにかかわらず、みんなで支えあう「共生」と困っている人に声をかける「思いやり」のメッセージが児童たちの心に響いた。


ブラインドサッカーとは
フットサルと同じ20m×40mのピッチにおいて、全盲のフィールドプレーヤー4人、晴眼もしくは弱視者のゴールキーパー1人が、前後半20分で試合を行う。位置が分かるように、ボールは転がると音が出る。見える人の協力が必要で、敵陣のゴール裏に、目の見える「ガイド」という人が立ち、シュートのタイミングなどを声で伝える。監督はピッチ中盤、ゴールキーパーは守備の指示を出す。フィールドプレーヤーはボールを持った相手に向かうときに、自分の存在を知らせ危険を避けるため「ボイ!」と声を出さなければならない。試合中は選手にとって「声」が大切な情報なので、観客も静かに見ることが求められる。

当日の様子

2018年12月7日 静岡県静岡市立森下小学校

  • 授業での実施種目:ブラインドサッカー
  • 放課後の体験種目:ブラインドサッカー、ボッチャ

先生・アスリートからのメッセージ先生・アスリートからのメッセージ

児童たちにとても貴重な体験となりました

本校では、ユニバーサルデザインをベースにした授業にも取り組んでいますが、今日は、パラリンピックスポーツを知るだけでなく、自分たちもプレーするという素晴らしい授業になりました。これから児童たちは、多様な社会に出ていき、色々なことに挑戦していくでしょうが、より多くのことを体験することが大切です。その貴重な体験の一コマになったと思います。
仁藤校長

相手を思いやる大切さが伝わった最高の授業でした

ブラインドサッカーで大切なことは、相手を思いやって声を出す、指示を分かりやすく具体的に出す、協力し合うといったことでしたが、それは普段の生活でも大切なことであることに気づかせてくれたと思います。渡邉選手の素晴らしさもさることながら、児童たちに実感として「思いやり」の大切さが伝わった、最高の授業でした。
望月先生

共生の意識が芽生えるきっかけになりますように

森下小学校の児童の皆さんが、とても真剣に取り組んでくれて嬉しかったです。ブラインドサッカーは健常者と一緒に協力して成り立つスポーツであることが分かってもらえたと思います。障がい者と区別しない考え方の、きっかけになるといいですね。自分としてはこれからさらに技術を上げ、上手くなって、魅力的なプレーができるように努力したい。それが私自身のチャレンジですね。
渡邉選手

参加した児童の声

ブラインドサッカーはまったく見えないなかで、周囲の声が頼りになることが分かりました。実際にプレーをしてみて協力し合うことが大切だと実感しました。始めは「面白いのかな?」と思っていましたが、やってみたらすごく楽しかったです。
6年生 男子
見えない人の気持ちがとてもよく分かりました。街でも点字ブロックなどがありますが、目の不自由な方の邪魔にならないように気をつけたいと思います。また渡邉選手の努力を見習いたいと思いました。

6年生 女子

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