第二回ゼミ
テーマ

「円をめぐる数学」

雲 幸一郎先生駿台予備学校 数学科講師

数学の一番の魅力とは

僕にとって数学の一番の魅力は、自分の頭で考えて、それが正しいか正しくないか、自分自身で判断できるところです。例えば同じ自然科学に分類される物理や化学は、現実的な自然を扱います。モデルを示して、それに対してある評価を与えるわけですが、それが本当の現実の自然と合っているのか、残念ながら最初の段階では人間の力ではわかりません。モデル化した後、そこから理論を作り、現実のいろいろな実験結果とあっているかどうかなどで判定されるわけです。

また、物理や化学は「正しい」といっていることが、実験誤差の範囲内において正しいのであって、さらに実験精度が高まったりすれば覆ることがあります。ニュートリノの質量は無いと考えられていましたが、それが覆りました。そういうことが数学にはありません。抽象的だからこそ、かえって確実性、現実性があるのです。考えて証明されたことは永遠に覆ることがありません。ピタゴラスが証明した三平方の定理は紀元前500年頃に証明されたものですが、それは今でも正しいのです。

2018年度リレーゼミ採録