企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局 広告特集

中学受験 SAPIX 小学部

時代を担う人材を育てる中等教育最前線

SPECIAL TALK 教育対談

「知」はどこへ向かうのかよりタフに、
もっとグローバルに

髙宮敏郎

SAPIX YOZEMI GROUP
共同代表
教育学博士

田村哲夫先生

渋谷教育学園理事長
渋谷中学高等学校 校長
幕張中学校・高等学校 校長
2014年に「スーパーグローバルハイスクール」に指定され、
中間評価で最高評価を得た渋谷教育学園渋谷高校。
同年「高校模擬国連国際大会」において、
日本初となる最優秀賞を獲得した渋谷教育学園幕張高校。
東大合格者数の増加でも注目される渋谷教育学園の教育は、
グローバル化の時代を生き抜くうえでどんなヒントを与えてくれるのか。
SAPIX YOZEMI GROUPの髙宮敏郎共同代表と
同校の田村哲夫理事長・校長が語り合った。

自己決定の力を育てる
正しい「個人主義」

髙宮 近ごろ、ビジネスでも学術の世界でも、日本の国際的なプレゼンスが下がっています。そして、停滞する日本と入れ替わるように台頭してきた中国では、今や多くの研究者やビジネスパーソンが世界の第一線で活躍している。日本の若者にとって決して追い風とは言えない時代ですが、渋谷教育学園の生徒たちは、海外大学への進学にも積極的で、在校中から多くの国際的な舞台で活躍しています。そうしたグローバルな感覚はどのように育まれるのか、今日はぜひそれを聞かせてください。
田村 青臭い考えで恐縮ですが、私はすべての教育のめざすところは「基本的人権の実現」にあると思っています。基本的人権とは、西欧の人々が長い時間をかけて勝ち取ったさまざまな権利の総体であり、その根幹にあるのは「人格的自律権」、つまり自分の人生は自分で決定するということです。しかし明治を迎えるまで西欧との接点をほとんど持たなかった日本では、残念ながらこうした考えが根付きませんでした。そのため、正しい意味での「個人主義」が育たなかった。それが問題だと思います。
髙宮 その状況は現代に至ってもあまり変わっていませんね。
田村 おっしゃる通りです。教育現場においては、教育とは教師が教えることだけだと勘違いしてしまった。違いますよね。本来、教育とは人格的自律権に基づいて生徒が自ら学ぶこと、考えることが中心のはずです。それを中高生にもわかるように言い表したのが「自調自考」という言葉で、私たちの教育目標になっています。
髙宮 私たちSAPIXの考え方も同じですので、先生のおっしゃることはよくわかります。そしてそうした正しい個人主義を身につけた生徒たちの目が自然に世界に向かうというのも、非常にわかる話です。
田村 日本社会はこれから急速に縮小していく一方で、日本を除くアジアでは人口が急増している。日本だけにとどまって夢や目標を実現できる時代ではありません。自分は将来どこで何をするのか、個人個人が自分の頭で考えなければならない。約30年前にこの学校を開校した当初から、私たちは「国際人の育成」をもう一つの教育目標としてきました。
髙宮 日本では、かなりの大企業でも「黙って上のいうことを聞け」という昔ながらの文化が残っていることがあるようです。その実態を聞くとショックなほどですが、今後はそうした風潮も変わっていくでしょうか。
田村 ビジネスの中心が国内から国外へと移っていけば、世界で理解されない文化や価値観は次第に淘汰されていくだろうと思います。企業も人も、世界で尊敬されなければ活躍の場を与えられません。真の国際人を育てるために私たちが大切にしているのが、三つ目の教育目標「高い倫理感の育成」です。

学びとは自分で考えること

写真:髙宮敏郎
写真:田村哲夫

人生を自己決定できる人に

4技能を学ぶことで
英語は使えるツールに

髙宮 現在、2020年度からの大学入試改革に向けた検討が進んでいます。国語と数学に記述問題を導入することや、英語は「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を総合的にはかることがその柱ですが、渋谷教育学園では何か特別な対策を考えていますか。
田村 新テストが重視している思考力・判断力・表現力を伸ばす教育には、これまで一貫して取り組んできたという自負があるので、今までのやり方を続けていくだけです。特に新しいことはありません。
髙宮 英語を学ぶなら4技能をバランス良く伸ばすべきだという新テストの考え方にも、田村先生は賛同されるのではないですか。
田村 それにはまったく同感です。「聞く」「話す」技能をしっかり身につけた生徒ほど、旧来型の「読む」「書く」テストでも成績が良いことは、私たちの検証でもはっきりしています。本校では開校当初から、英語の授業に力を入れてきました。中学の段階から、4技能を駆使して大量の英文に触れる授業を展開しています。多くの生徒にとって、こういった授業はかなり大変だと思います。それでもハードルを下げずに授業を進める。また、全体の1割以上を占める帰国生の影響も大きいです。そういった刺激を受け、全体のスキルが上がっていくからです。
髙宮 AI(人工知能)が進歩すれば、いずれ完璧な翻訳ロボットができるのだから無理に外国語を覚える必要はないという人もいますが、日本語と英語では思考のロジックそのものが違います。たとえロボットが翻訳をする時代になっても、母国語とは違うロジックを持った言語を学ぶことで身につくものは多いのではないでしょうか。
田村 おっしゃる通りです。AIはあくまで「人が使うもの」ですから、私たちにそれを使う力がなければ十分に活用することもできません。AIがあるから人間が向上しなくて良いということには決してならないと思います。
髙宮 渋谷教育学園は、東大合格者数が近年急速に伸びていることで知られますが、海外の大学や京大、一橋大などを志望する生徒に東大受験をすすめたりはしないのですか。
田村 そうですよね、学校の宣伝のためにはそのほうが良いのでしょうが、うちの生徒たちはみんな遠慮なく自分の好きなところに行ってしまいます(笑)。自分の進むべき道をしっかりと自己決定できる頼もしい生徒たちだと思います。
髙宮 個性の尊重、多様性の時代という言葉だけは華やかにメディアで躍っていますが、日本社会はまだ本当にそれを実現してはいません。子どもたちの自己決定力を育てるために、私たちはこれからも一方的に教えるのでなく、自分の頭で考えさせる教育を大切にしたいと思います。そしてグローバル化の時代に幅広い視野で将来を選択するには、英語というツールを使いこなす力が不可欠なことをあらためて教えられました。本日はどうもありがとうございました。

たかみや・としろう/1997年慶應義塾大学経済学部卒業。三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)を経て、2000年学校法人髙宮学園に。米ペンシルベニア大学で大学経営学を学び、教育学博士号を取得。09年から現職。SAPIX小学部、SAPIX中学部、Y-SAPIXなどを運営する株式会社日本入試センター代表取締役副社長などを兼務。 たむら・てつお/1958年東京大学法学部卒業。70年学校法人渋谷教育学園理事長、71年渋谷女子高等学校(現・渋谷中学高等学校)校長。83年に幕張高等学校、86年同中学校を開校し校長に。日本私立中学高等学校連合会会長、日本ユネスコ国内委員会会長、中央教育審議会委員など要職を歴任。2014年旭日中綬章受章。
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