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中学受験 SAPIX 小学部

教育特別鼎談 灘中学校・灘高等学校自ら学びともに育つ場を、
未来へ

髙宮 敏郎

SAPIX YOZEMI GROUP
共同代表

和田孫博校長

海保雅一教頭

灘中学校・灘高等学校
自ら学び、主体的に新しい道を切り開いていく。そんな人材が求められるなか、生徒の自主性を重んじ、個性を伸ばす教育で、各界に優れた人材を送り続けてきた灘中学校・灘高等学校。この学校が教育で最も大切にしていることは何なのか。2022年春に退任される和田孫博校長と、その後を引き継ぐ海保雅一教頭に伺いました。
(※肩書は取材当時のものです)

髙宮 和田校長は灘中学校・灘高等学校で46年間、教員を務めてこられました。この春の退任を前に、どのような思いでいらっしゃいますか。

和田  今となってはあっという間でしたね。ご存知のように当校は一つの学年に対し担任チームが6年間、持ち上がりで授業や生活指導を行います。教員にとっても6年が一つの単位で、私はそれを4回繰り返した後、教頭、校長を務めました。生徒との思い出は尽きませんが、卒業生は社会の多様な分野でリーダーとして活躍しています。その姿を新聞などで見ると、やはりとてもうれしいですね。

髙宮 御校の教員は6年間、ずっと同じ生徒と関わり、成長を見守り続けます。それだけに教員と在校生、卒業生との絆が非常に強いと感じます。和田校長自身も灘の卒業生ですが、入学した時はどんな印象を抱きましたか。

和田  小学生の頃、自分はそれなりに勉強ができると思っていたのですが、入学してその自信は見事に打ち砕かれました(笑)。本校は、伝統的にガリ勉タイプはあまりいません。いわゆる地頭のいい生徒が多いんです。好奇心旺盛で、何事にも主体的に、積極的に行動する。そんな学友から、私も大きな刺激と影響を受けました。

髙宮 御校の生徒は6年間、のびのび自分がやりたいことを追求している印象があります。

和田  本校では生徒の自由と自主性を何より大切にしています。住吉川で生態系の研究をしたり、数学オリンピックに挑戦したり。中学2年で気象予報士資格を最年少取得(当時)した生徒や同じく中学2年で行政書士に合格した生徒もいます。総合的探究の時間でも、私たちが理解できないほど高度なレポートを提出する生徒がいて、驚かされます。

髙宮 興味があることに目を輝かせて取り組む先輩の姿を見て、新入生も自然と何かにチャレンジするようになるんでしょうね。

和田  長年かけて培われてきたこの校風こそ、本校の大きな強みだと思います。その集大成のひとつが毎年、生徒が主体となって運営・開催している文化祭です。一昨年はコロナでオンライン開催となりましたが、昨年は生徒たちが自らさまざまな工夫をし、リアルとオンラインによるハイブリッド文化祭を見事に成功させました。

髙宮 そのような経験を通して課題解決力や協調性、リーダーシップなどが育くまれていく。また生徒一人ひとりの個性も磨かれていくのでしょうね。

同級生や先輩後輩との切磋琢磨が
個性を伸ばす(和田校長)

写真:和田校長
写真:海保教頭

自由と自主性を重んじる校風を
どこまでも大切に(海保教頭)

海保  教育の本質は、一人ひとりの子どもが自分の個性や才能を自ら伸ばしていく手助けをすることだと思います。ただ小学校を卒業した時点で、自分の個性や才能などわからないのが普通です。ですから中学、高校時代にさまざまな経験をするなかで、自分が一番好きなこと、やりたいことを見つけることが大事です。それが見つかれば、子どもは放っておいても急速に成長します。よって私ども教員ができることは、生徒の知的好奇心を刺激する幅広い環境を用意してあげることだと考えています。

髙宮  そのため御校では、私立の強みを生かし、工夫をこらした授業を行なっています。

海保  生徒の好奇心を刺激する授業は、たいてい教科融合的なものになります。例えば私の担当である英語の授業では、時事問題や自然科学、芸術など、生徒が興味をもちそうな要素を幅広く取り入れてきました。

和田  本校では伝統的に、学習指導は各教員に完全におまかせし、管理職は一切タッチしません。

髙宮  教員も自由な発想で授業に取り組むからこそ、学ぶ楽しさが生徒に伝わるのでしょうね。

海保  はい。ただ本校に入ってくるお子さんは、もともと学ぶことが大好きな子が多いんです。そうでないと、受験競争で勝ち抜けない面もあるのだと思います。

髙宮  そんな自ら学ぶことが好きな子どもを育むには、どうすればいいのでしょうか。

海保  やはり幼児教育が大事だと思います。例えば就学前に自然と触れ合い、自然っておもしろい、不思議だと感じる。そして自らその謎について考えたり、調べたりする。そのような体験が、すべての学びのベースになります。またそんな子どもの自然な好奇心の芽を、親が摘まないことも大事です。

髙宮  私も教育は、一人ひとりの子どもの体験や感性、個性からスタートすべきだと思っています。それを無視して、国や社会が要請する人材へ一方的に最適化するような教育を行うことは、弊害が大きいのではないかと思います。

海保  学校としてはある程度、社会の要請に応える必要があります。ただこれから未来の社会をつくる子どもたちに、今、国や企業が求めることをそのまま押しつけてはいけないと思います。例えば今、グローバル人材の育成が叫ばれています。でも現在のグローバル資本主義には、さまざまな問題もあります。それに無批判に従うのではなく、むしろ自分たちは未来の世界をどうしたいのかを能動的に考え、行動する。そのような人間を育てるべきだと思います。

髙宮  そんな人間を育てるうえで大切なことはなんでしょうか。

和田  逆説的になりますが、自分だけでなく、周囲の人や仲間のことを考え、助け、支えあうことではないでしょうか。本校の校是は、創立に尽力された講道館館長、嘉納治五郎先生の言葉「精力善用」「自他共栄」です。「精力善用」とは、自分の力を最大限発揮し、よい方向に用いること。「自他共栄」とは、自分も他人もともに栄える社会を築くことです。この言葉には、自己は他者を助け、支えることで初めて成長し、完成するとの考えも込められています。

髙宮  主体性や個性は、他者との関係性のなかで育まれ、磨かれていくものだということですね。そういった意味でも、自主性をもった優秀な子どもたちが6年間、環境をともにすることの意義は、非常に大きいと思います。

和田 本校では先輩後輩、同級生の絆が強く、みんなで切磋琢磨しながら成長し、個性を伸ばしています。難関校を目指すライバル同士が、損得なしに問題を教え合ったり、助けあったりしている姿もよく見かけ、感動します。

海保  各分野でロールモデルとなる生徒やOBがたくさんいることは、本校の大きな魅力です。そして自由と自主性を重んじる校風、「精力善用」「自他共栄」の校是こそ、当校が最も大切にすべき価値であり、これからも大切に受け継いでいきたいと考えています。

髙宮  最後に灘をはじめ、中学受験を考えている生徒や保護者へのメッセージをお願いします。

海保  灘には好奇心や探究心を刺激するすばらしい授業があり、個性的な先生がいます。みなさんの自主的な活動を支える文化があります。主体的に学んで成長したい人は、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

和田  ただ私立中学は学校によって特色が大きく異なります。教育において環境は非常に重要なので、お子さんに合った学校を選ぶことが何より大事です。保護者のみなさんは偏差値だけでなく、特色や校風をしっかり見極めたうえで、目指す学校をお子さんとともに決めていただきたいと思います。

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