体には自信があったが、数年前血糖値が高いといわれた
江本 :私は野球出身者で体には自信があったので、病気のことはあまり考えたことがありませんでした。ところが、5〜6年前に血糖値が高いと言われ、それを克服しようと頑張っているところです。
 今65歳ですが、つい最近まで野球選手時代のくせが抜けず、風邪を引くと焼き肉屋へ、具合が悪いときは寝ていればいいという原始的な生活を送っていました。50代まではかなりの食欲で、胃カメラをのむと、「さすが江本さん。胃は普通の人の倍あります」といわれ、自信を持っていくらでも食べていたんです。
 ある日、突然調子が悪くなり病院で検査を受けると、血糖値が500mg/dlを超え、HbA1cが9以上といわれ、すぐに入院を勧められました。それから本腰を入れて治療を始めました。引退してからは運動もあまりしていなかったのですが、やり始めると気合いが入るので、あっという間に数値が下がり、今のところ、合併症も出ずに普通の生活が送れています。

生活習慣病になりにくい食事のポイントは?
西沢 :では、あらかじめ寄せられた質問の中から答えていただきます。一番多かったのは食生活に関することです。
水内 :どのくらい食事を取ってよいかはその人の年齢、運動量、BMI(体重kg÷身長m÷身長m、25以上が肥満)などによって違います。まずは自分がどのくらい食べられるかを知ってください。減塩が大事とわかっていてもできない。行政をあげて減塩に取り組むことも必要です。
八田 :CKDの人は塩味を感じる味覚が低下しています。1週間ほど減塩すると味覚が戻ってきます。薄味に慣れていくことも大切です。
江本 :野球解説が終わると夜遅くなる。以前はそれから食事をしていましたが、今は食べないようにしています。


CKDと生活習慣病はどうやって防ぐ?
西沢 :CKDのほぼ半分は糖尿病から移行しています。
八田 :生活習慣病が増えてきたのは、動かないのに高カロリーの食事をどんどん取ることが大きな要因です。糖尿病の患者数と車の普及台数は比例しているのです。メタボリックシンドロームの人もCKDになりやすいとされます。運動しない、よく食べる、塩分も多いという積み重ねがいけません。そうした生活習慣を改善していくことが予防や治療につながります。
水内 :生活習慣の改善で、私ども看護師が一番難しいと感じるのは40〜60代の特に男性の方です。すでにさまざまな生活習慣ができあがっており、食生活の改善や運動についてお話しても、なかなか実行にはつながりません。医師や看護師だけでは難しいので、ご家族と協力して取り組んでいかなければいけないと考えています。


早期発見のためにはどうしたらよいか?
八田 :たとえば夜のおしっこが多いのは塩分過剰の状態です。ただ、腎機能が正常でも過剰に塩分が入ると増えます。尿の泡立ちも、かなり蛋白が出ないと泡立ちません。早期発見のためには、尿検査を受けることが一番です。日本人は血液検査は気軽に受けるのですが、なぜか尿検査はあまり好まない。尿検査でわかることはたくさんあるので、ぜひ定期的に受けてください。

西沢 :本日はどうもありがとうございました。










江本 孟紀(えもと たけのり)氏 プロフィル
高知商業高、法政大、熊谷組を経て、プロ野球入り。東映フライヤーズ(現北海道日本ハムファイターズ)、南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)、阪神タイガースで投手として活躍。1992年参議院議員初当選。2001年1月には参議院初代内閣委員長就任。2004年参議院議員を離職。現在はプロ野球解説者として新聞、テレビ、ラジオで活躍。またこれまでにタイ王国ナショナルベースボールチーム総監督に就任し北京五輪アジア予選に出場するなど、野球界の発展・底辺拡大に努めてきた。著書も多く、ベストセラーとなった『プロ野球を10倍楽しく見る方法』をはじめ67冊に及び、現在も執筆活動続行中。また母校の法政大学スポーツ健康学部で週1回講師を務める。
出身地 : 高知県香美市
趣 味 : ゴルフ


西沢 邦浩(にしざわ くにひろ)氏 プロフィル
「日経ヘルス」プロデューサー兼日経BPヒット商品研究所 上席研究員
小学館を経て、1991年日経BP社入社。開発部次長として『日経エンタテインメント!』創刊や、マイクロソフト社との共同事業『日経BPソフトプレス社』の創業などに携わる。1998年『日経ヘルス』創刊と同時に副編集長に着任。2005年1月から同誌編集長。2008年3月に『日経ヘルス プルミエ』を創刊し、同誌編集長を務める。2010年7月から日経BP社プロデューサーと関連会社(株)テクノアソシエーツ、ヴァイス・プレジデントを兼務。
出身地 : 長野県長野市
趣 味 : テニス、サルサ(踊り)、短歌、料理、飲酒