慢性腎臓病(CKD)セミナー

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第1部 講演 1

慢性腎臓病を考えよう ~腎臓が守ってくれること、腎臓を守ってあげること~ 山本 裕安 先生(厚木市立病院 院長)

腎臓は海が代役!水分や塩分を保つ

生命は海で誕生し、陸に上がりました。海からの補給を絶たれ、水分や塩分・ミネラルを保つ必要から腎臓は発達しました。腎臓の重要な働きは、尿を作って老廃物を排泄することと、体の水分量を調節することです。老廃物の多くはたんぱく質の燃えかすです。三大栄養素のうち糖分と脂肪分は体内で燃えて水と二酸化炭素に分解されますが、たんぱく質だけは燃えかすが残ってしまいます。腎臓は唯一、その燃えかすを捨てる臓器です。また腎臓は、水分やミネラルのバランスをとることで体液量も調節しています。血圧を維持するためのホルモン、血液をつくるホルモン、骨の代謝を調整するビタミンDもつくっています。そのため、腎臓が悪くなると高血圧や貧血になり、骨ももろくなります。
 慢性腎臓病の診断基準は、どんな原因で腎臓が悪くなったのかは別にして、腎機能の状態とたんぱく尿があるかないかの2つからチェックします(表参照)。たんぱく尿がなぜ出るかというと、腎臓の血液を濾過する部分(糸球体)が破壊されるからです。高血圧、糖尿病、腎炎、脂質異常症などが破壊の原因になることがわかっています。現在、透析導入原因疾患の約45%が糖尿病性腎症で、高血圧が原因となる腎硬化症も増えています。慢性腎臓病では腎不全が進行するだけでなく、脳卒中、動脈硬化症、心筋梗塞・心不全など心臓や血管の病気を多く併発することもわかっています。

慢性腎臓病の定義

腎臓を悪くしないためには腎臓のことをよく知って、コントロールすることが大事です。透析導入の原因となる糖尿病、慢性腎炎、高血圧にならないようにする、もしなってしまったら進行させないようにします。腎臓病の治療は基本的に生活指導、食事療法、薬物療法が重要です。ストレスの多い社会ですが、できるだけ生活習慣を改善して、運動しながら食事療法を行うようにします。最終的には薬物療法や透析療法もありますが、腎臓を悪化させる病気をコントロールすることがやはり重要です。腎臓病は自覚症状が乏しいので、早期発見するためにも検尿を行ってたんぱく尿や血尿の有無をチェックしてください。

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。
  • 2013年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 名古屋
  • 2015年 CKDセミナー in 和歌山
  • 2015年 CKDセミナー in 東京