慢性腎臓病(CKD)セミナー

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第1部 講演 1

「慢性腎臓病とは」 ―その予防と治療について 原 茂子 先生 ( 原 プレスセンタークリニック 院長  )

食塩と蛋白質の摂りすぎに注意しよう!

 腎臓病は自覚症状が乏しく、従来は非常に見つかりにくい病気でしたが、2007年にCKD(慢性腎臓病)という概念が導入され、腎障害の早期診断が可能になりました。CKDはいろいろな原因で腎機能が徐々に低下する病気で、①尿検査で異常が見られる場合(主としてたんぱく尿)、②eGFR[腎機能:推算糸球体濾過(ろか)量]が60㎖/分未満、のいずれかが3カ月以上続いてみられる場合にCKDと診断されます。eGFRはクレアチニン値、年齢、性別から算出されます。CKDは透析予備群であること、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管病の大きなリスクとなることから、早期に診断して適切に管理していくことが重要です。
 腎臓の主な働きは尿を作ることです。一つの腎臓に100万個の糸球体という濾過装置があり、体内の老廃物を尿として排泄(はいせつ)します。それ以外にも、体内の水分やミネラルのバランスを一定に保つ、赤血球の産生を促進したり、血圧を調整するホルモンの分泌、ビタミンDの活性化などさまざまな働きをしています。
 CKDは腎機能がどれくらいかによってステージ1〜5に分類されます。たんぱく尿が多いほど、腎機能が悪いほど重症度が高くなります。

慢性腎臓病の定義

 CKDは高血圧、糖尿病、脂質異常症などが発症に関与しており、CKD発症予防には生活習慣(食生活など)の改善が重要です。進行させないための治療では、まず腎臓を悪くしている原因を知ることが大切です。原因となるのは、原発性腎臓病(慢性糸球体腎炎など)、続発性腎臓病(糖尿病性腎症、腎硬化症など)のほか、尿路結石、細菌感染による腎盂(じんう)腎炎、遺伝性疾患の嚢胞(のうほう)腎などです。治療には薬物療法と食事療法があります。薬物療法ではレニン・アンジオテンシン(腎臓から出る血圧を調節するホルモン)を抑制する薬、降圧薬、糖尿病の人には経口糖尿病薬やインスリンなどが使われます。また、食事療法が適切に行われているかどうかは24時間蓄尿でわかります。さらに、腎機能が悪い人では抗生物質や鎮痛薬、風邪薬、カルシウム製剤などが悪化因子になります。お薬手帳などできちんと管理しましょう。

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。
  • 2013年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 名古屋
  • 2015年 CKDセミナー in 和歌山
  • 2015年 CKDセミナー in 東京
  • 2016年 CKDセミナー in 東京
  • 2017年 CKDセミナー in 東京