慢性腎臓病(CKD)セミナー

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第2部 パネルディスカッション

CKDの進行を防ぐポイント ● パネリスト	原 茂子 先生、市川 和子 先生 ● コーディネーター	小崎 丈太郎 氏( 日経メディカル開発 編集部長 )

健診の尿検査や血液検査でCKDの早期発見を

小崎 会場のみなさんから食事に関する質問が多く寄せられました。なかでもけっこう多かったのが、アルコールはどの程度まで飲んでよいですか。
市川 糖尿病や脂質異常症がある場合はある程度の制限が必要ですが、血圧が少し高い、CKDでたんぱく尿が少し出ているくらいなら、楽しみ程度に飲むのは問題ありません。目安量はビールなら350㎖缶を1本、日本酒なら1合ぐらいです。
小崎 禁煙はなぜ必要なのでしょう。禁煙を成功させるコツは?
市川 たばこは血管を収縮させ硬くさせますし、肺にも悪影響が多い。百害あって一利なしです。禁煙をするときは必ず栄養士さんと仲良くなってください。禁煙すると口が寂しいので飴をなめたりして体重が5㎏ほど増える人はざらです。太ると別の弊害も出てきます。禁煙ができて体重が増えない。この二つがうまくいって初めて禁煙成功です。
小崎 腎臓が悪い人はなぜカリウムの取り方に注意しなければいけないのですか。
 腎臓が悪くなると尿中に出るカリウムの量が少なくなり、血液中のカリウムが増えます。すると心臓に負担がかかって不整脈や心停止を起こすリスクが高まります。そのためステージ3以降になるとカリウム制限が必要になります。
小崎 CKDが見つかるのはどんなときですか。
 CKDと診断される一番のきっかけは健康診断です。検査を受けて異常が出たときは、自覚症状がないから「来年でもいいか」などと見過ごさないでください。自覚症状では尿の異常がきっかけになります。風邪を引いた後、コーラのような尿が出るなど色の異常です。尿の泡立ちも問題になるのですが、今の洋式トイレは比較的泡が立つことが多い。その泡立ちがいつまでも消えにくいときは少したんぱく尿が多い可能性があります。高血圧も腎臓病の早期発見につながります。
小崎 糖尿病や、以前腎臓の病気だった人が気をつけることはありますか。

 糖尿病と診断されて10年くらいたつと腎臓に変化が出てきます。糖尿病で問題なのは、受診を中断する患者さんが多いことです。糖尿病の人は継続して診療を続け、尿検査や腎機能もチェックしてもらうことが大事です。以前にネフローゼなどで腎臓を患ったことがある人は、今は落ち着いていても、ある程度歳をとってくると腎機能が悪くなる可能性が高いので定期的なフォローを受けておいたほうがよいでしょう。
小崎 CKDはきちんと治療すれば治るのでしょうか。
 ステージ3まではまだ戻りうる可能性がありますし、進行を抑制することも可能です。ただステージ4、5の段階になりますと、その後は進行性で悪くなります。年齢とともにeGFRは少しずつ低下していきます。CKDの重症度が高いほど加齢によるeGFRの低下も早くなります。やはりCKDを早い時期に診断して、先に進まないように管理していくことが治療の基本となります。
小崎 本日はありがとうございました。

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。
  • 2013年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 名古屋
  • 2015年 CKDセミナー in 和歌山
  • 2015年 CKDセミナー in 東京
  • 2016年 CKDセミナー in 東京
  • 2017年 CKDセミナー in 東京