慢性腎臓病(CKD)セミナー

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第1部 講演 1

慢性腎臓病:予防と治療 秋澤 忠男 先生 ( 昭和大学 医学部内科学講座腎臓内科学部門 客員教授  )

食塩と蛋白質の摂りすぎに注意しよう!

 腎臓の主な働きは、老廃物(蛋白質が体の中で燃えたゴミ)を体の外に出す、体の水分量を調節する、体液中の電解質を適度な濃度に保つ、血液をつくるホルモンや血圧を調節するホルモンを産生するなどです。腎臓が病気になると、最初に障害されるのが主に血液から尿を作る場所(糸球体)なので、尿の中に通常は漏れない蛋白質や血液が出てきます。これが蛋白尿と血尿です。それを放置しておくと腎臓の機能はどんどん悪くなり、夜間多尿、むくみ、血圧の上昇、貧血などの症状が出てきます。
 腎臓の機能は、年齢、性別、血液中の老廃物(クレアチニン)濃度から算出されるGFRで表わされます。そして、①3カ月以上にわたる尿・生化学・腎画像所見、腎組織所見の異常②3カ月以上にわたるGFR60ml/min未満の持続のいずれか一つあればCKDと診断されます。CKDの進行度もGFR主なの値により分類されます()。ステージ5になると透析が近いことになります。カナダや沖縄の研究※により、CKDの患者さんでは、蛋白尿が多いほど、腎機能が悪いほど、死亡の危険が上昇し、主に心疾患の発症が増加し、腎機能が悪化するスピードが速く、透析にもなりやすいことがわかっています。CKDはまさに生命の危険因子なのです。CKDになる原因で一番多いのは糖尿病で、メタボリックシンドロームや高血圧、老化も危険因子になります。

慢性腎臓病の定義

 CKDはきちんと管理すれば進行を抑えることができます。CKDの予防と早期発見のためには毎年健診を受け、蛋白尿・血尿などのチェックをし、異常があれば医療機関を受診することが原則です。治療は日常生活の管理と適切な薬物治療です。日常生活の管理で大事なのは食塩制限、蛋白質を摂りすぎないこと、禁煙、適度な運動です。薬物治療では糖尿病や高血圧、脂質異常症があればそれらを改善する薬が用いられます。糖尿病の人には心臓病や腎症の悪化を抑制する新薬も登場しています。CKDは怖い病気ですが、早期に発見してきちんと治療すれば、その怖さを克服することも夢ではありません。
※「蛋白尿の程度と腎機能(eGFR)別患者予後」(JAMA.2010;303(5);423-429)。「蛋白尿の程度と透析患者の発症率」(Iseki K et al.Kidney Int 63;1468-1474,2003)

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。
  • 2013年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 名古屋
  • 2015年 CKDセミナー in 和歌山
  • 2015年 CKDセミナー in 東京
  • 2016年 CKDセミナー in 東京