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| ▲アリゾナ市民によるウェルカムパーティー | ▲復元されたビクトリア調の建造物「Rosson House」 | ▲同行の先生たちが一様に絶賛していた科学館 |
ISEFは、単に高校生が科学研究を発表するだけの場ではない。若き科学者たちが知り合い、情報を交換し、刺激を受け合う交流の場でもある。そのため夕方からは、ほぼ毎日なんらかのパーティーが設定されている。例えば審査日前日10日の夕方には、ホストシティーであるアリゾナの市民たちがファイナリストを歓迎する、ウェルカムパーティーが開催された。場所はアリゾナの歴史や文化に触れるには最適な「文化遺産&科学公園」。会場には開拓時代からのアリゾナの歴史を紹介する歴史博物館、教育的効果とエンターテインメント要素を見事に融合させた科学館などがあり、自由に見学できた。広場には屋台が並び、ISEF参加者は自由に食事をしながら世界中の高校生との交流を楽しんだ。この日も、途中から広場にダンスミュージックがかかり、ダンスパーティーと化す盛り上がりを見せた。 また審査を終えた達成感と開放感のなか、みんなが思い切り弾けたのが11日夜の学生親睦パーティー。こちらの会場は、フェニックス北東郊外の砂漠地帯に広がる「ローハイド」。アリゾナは『OK牧場の決闘』など西部劇映画が多く撮影された場所だが、ここはまさに西部劇の舞台に迷いこんでしまったかのようなところ。開拓時代の西部の街並みを再現した通りでバンド演奏やダンスが繰り広げられ、お祭りムードに満ちている。ウェスタンスタイルで焼かれる豪快なステーキをほおばったり、荒涼とした砂漠地帯を走る馬車に乗ったり、ロデオマシンで奇声を発するなど、優秀な科学者たちもここではすっかりやんちゃな10代の少年少女に戻っていた。 |
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今日の「ホストウェルカムパーティー」はPHOENIXの町が主催するもので、町のボランティアによって運営されている。格式ばったものではなく、ざっくばらんに楽しめる「町内会のお祭り」や「High schoolのStudent Party」を合体させたようなシンプルで自由にふるまえるものだった。会場は、Science museumとHistory museumを合わせた敷地全体でとっても広い。そこらじゅうにボランティアの方々が用意した飲み物や屋台が並び、どれでも自由に食べることができる。ボランティアの1人にさっそく質問をしてみたところ、このパーティーの主旨は、「明日から始まるISEFの審査のために緊張し、イライラしてしまいがちなファイナリストたちを、music、food、dance、meeting new friendといったものでリラックスさせ、より最高のモチベーションで審査にのぞみ、全力を出しきることができるようにするためのもの」だそうだ。またこのパーティースタイル(町内お祭り形式)は、すべての州や町で取り入れているわけではなく、ホストウェルカムパーティーは州や街によってその土地の特色があるという。日が暮れていくにつれてパーティーはどんどんヒートアップし、有名なアメリカンポップスにあわせて、参加者の一部は踊り出していた。音楽を聴いたらすぐノリノリで踊ることができるのはアメリカならではだと思った。やっぱり、外国の人はパーティーや、イベントの楽しみ方をとてもよく知っていて、人生を楽しくしている。少しうらやましかった。History museumには、アリゾナ州における西部開拓時代からの歴史と各時代の古民具が展示されていた。アメリカ初のモーター(蒸気機関?エンジン?)付き自転車や、開拓初期にもちこまれた単発銃ウィンチェスターライフル、ネイティブアメリカンたちが使用していた粉(とうもろこし粉)ひき道具や、チョコレートをまぜる棒、そして、おそらく口頭伝承や彼らの歴史を語る語り部たちがもっていたと思われるcalender stick(長めの棒にたくさんの刻みが入れられ、ところどころに「X」や「O」のような記号めいたものが刻まれている)など。ここ、History museumは開拓初期のアメリカを紹介する、あるいは知識を得るにはもってこいの場所だ。 science museumは、僕としてはとてもオススメ。日本科学未来館よりハイテク技術を備えた展示物は少ないものの、素朴で、人間の手によって作られた感じが残る展示物は、幼い子供たちにもわかりやすく、そして極めてシンプルに科学の基礎的知識を理解できるよう工夫されていた。特に医療、保健ブースでは、車イスによる移動の体験やその際に手にかかる負荷の様子、さらに知覚、認識(脳の機能)、アルコールやドラッグと脳の働き具合の関係など、社会生活と密接な関係にあるものが多かった。 今回のパーティーとmuseum開放で印象に残ったのは、アメリカでは企業、行政とボランティアが一丸となって、ISEFの参加者者が全力で審査に臨めるよう全面サポートを行っていること。とくに今回のパーティーや、大会の細かな裏かたの仕事は、フェニックス市民と彼らの大会に対する理解、そして全面協力によって成り立っている。 またアメリカのmuseumは、大人も子供も、知識や学問分野と交流ができるように工夫されていることを痛感した。最先端科学技術を見せさえすれば子供たちは科学を好きになるだろうというのではなく、基本的な科学知識や仕組み(それらは子供の頃に誰もが疑問をもち、不思議に感じたこと。例、飛行機はどうして飛ぶのか、波って何? 風はどんなことをするの?etc)を子供たちが理解できるような実験や装置で説明し、素朴な不思議と少量の最先端科学技術を絶妙に織りまぜた展示をしていた。このようなコンセプトで建てられた科学博物館は日本にはあまりないと思う。子供時代からの素朴な疑問の発見と理解、そして絶えまない好奇心をきっかけに、人間は徐々に「科学」にひきつけられていくのだと思う。そういった「素朴な疑問の発見と解決」を示されず育った子供にいきなり「ゆとり教育」「総合的学習」を導入し、「頑張れ!」と応援(喝)をしても、無理な話だと思う。また「ゆとり教育」「総合的学習」が失敗したからといって旧体制に戻し、何もしないのもおかしいと思う。過去の科学者のように忍耐強く、あきらめずに新しい道を模索しつづけ、試行錯誤をくり返していくことが一番重要だと思う。一番大切なのは結果だけでなく、行動を起こすことと努力することだ!と僕は思う。どんな分野でも忍耐力は必須不可欠なもののはず。思ったような結果がでなかったからといって、大人社会がすぐにサジを投げていたら、子供も忍耐強くなくなり、変に効率主義的になる。熱い心をもたない、やたらドライな性格になってしまうのではないか。長い期間や未来をみつめ、徐々に子供たちを生まれ変わらせ、社会を動かし、世界を変えるためのエネルギーを蓄えていく必要があると僕は思う。アメリカ、中国はもちろんのこと、世界の国々は、すでにこの点に気がついている。アリゾナ州の高校訪問やISEFでの印象、そして若き研究者達との交流の中で、僕は特にそれを強く感じた。ガンバレ日本!! |
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