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12日にはブース会場が一般に公開され、ファイナリストたちが地元の見学客に自分の研究を紹介した。開場とともに会場は人だかりとなり、先生に率いられた社会見学らしき集団や家族連れなど、子供たちの姿が多いのが印象的だった。目を輝かして展示物に見入り、熱心に質問をする子供たちと、それに応えて一生懸命自分の研究を説明するファイナリストの姿がほほえましい。この日はJSECから参加した3チームも、リラックスした雰囲気のなか現地の見学客とのやりとりを楽しんだ。ファイナリストのサインを集める子供たちも多く、とくに日本人の漢字のサインは大人気。 また子供たちが大喜びだったのが、ロボットや模型、不思議な機械が並ぶ「Engineering」のコーナー。奈良県立王寺工業高校のブースにも人だかりが絶えず、ワンダーのデモに子供たちの歓声があがっていた。王寺工業高校のブースにはこの日、車いすの方が来て水平システムに感激したり、現地のマスコミが取材に来るなど、「Engineering」コーナーのなかでもとくに注目を集めていた。 |
| 一般公開日は、8人のサイエンスリポーターにとっては本番の日でもある。ISEFに参加できなかったメンバーや、これからISEFを目指す後輩のために、ISEFの様子や研究内容を取材し、リポートする使命が課せられているのだ。高校のレベルをはるかに超えた研究もあるうえ、英語での取材はかなりハードルが高い。用意した質問は通じても、早口の英語でまくしたてられると何を言っているのかわからない。ときには筆談で質問をしたり、テープレコーダーを活用するなど、リポーターたちは各自工夫をこらして取材に挑戦した。自分の研究を情熱をこめて説明し、科学の意義や自分の夢などを自信をもって語る海外のファイナリストたちに、リポーターも大きな刺激を受けたようだ。後かたづけ前の人のいない時間にブースの写真を撮ったりメモをとったり、アブストラクトを集めるリポーターたちの姿からは、ISEFの研究を少しでも日本の後輩たちに伝えたいとの熱意が伝わってきた。 |
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ブースをいろいろとまわり、英語がわからないながらも必死に質問を投げかけて、若き世界のscientistと交流することができた。どの人も強い意志と夢を持ち、しっかり僕の質問に答えてくれたけど、僕個人としては、CH053ブースの「Reduction of Cellulosic Fiber Flammability Using Aluminosilicates(アルミニウム加工処理を施すことによるセルロース系繊維の可燃性の減少)」を研究発表していたKatie Marie Herbageさんから受けたショックがとても印象に残っている。研究の内容を簡単に説明すると、綿花を原材料にした衣料の弱点である可燃性の高さを天然の物質を用いることで可燃性を低くする、つまり燃えにくくするための処理の開発だ。彼女の研究によると、ゼオライト(沸石)とbentonite(不明、ベンゼン系か? ※注 ゼオライトもbentoniteも天然に産出する物質)を利用すると、綿を材料にした服の可燃性をかなり抑えることができるらしい。実験結果の写真を見ると、燃え残った部分の面積が、普通の状態のものよりも大きいことが、一目見てわかるほどだった。研究のきっかけは、綿の服に一度火がつくと瞬く間に燃え広がり、命を奪いかねない大やけどを負わせてしまう場合が多く、もっと安全性の高い服を作りたいと考えたからだそうだ。現在、人工合成繊維の分野で画期的な性質をもつ繊維が山ほど生産されている時代に「なぜわざわざ綿繊維に特殊加工を施こさなければならない?」と疑問をもつ方も多いと思う。たしかにそうだ。何も綿という古くからある繊維を使う必要はない。この疑問に対する僕個人の推測は、綿が持つ人工合成繊維にはない性質を保ちながら、綿の弱点を克服することで、綿の新たな可能性を見い出したかったのではないかというものだ。「人工合成繊維よりも低エネルギー、低費用で生産できる」「速乾性はかなり低いものの吸水性は高い」「温みや安心感がある」といった綿の性質も少なからず、彼女の研究への決心に影響を与えていると思う。見捨てられつつある旧世代の材料や物質を現代の科学的視点で洗いなおし、欠点を補うことでより科学技術の種類や分野が増え、より豊かな社会を築くことができると考えたのかもしれない。彼女自身としては、将来的によりこの分野の研究を進め、いったいどれほどの種類の鉱物が、衣類の可燃性を低下させるのに使用でき、また応用できるのかを見極め、もっとも利用に適した方法を開発していきたいそうだ。まさに温故知新的なideaである。 Katieさんの研究内容は十分に新鮮で印象に残っているが、質問後の短い雑談中にかなり大きな収穫があった。化学分野を研究しているのだから当然将来はその方面を希望しているのだろうと思って「What do you want to do or What do you want to be in the future?(将来は何をしたいの?)」と尋ねてみたところ、僕の予想を超えた答えが帰ってきた。「I want to be a pediatrician=doctor for children(小児科医、子供たちのための医者になりたい)」と。さらに彼女は、さらなる夢を語ってくれた。「医者になって先進国や発展途上国、そして貧しくて衛生設備がまだ整備されていない国等を飛びまわって、世界中の子供たちを助けたい。(つまりUNICEFのような活動)」この言葉を聞いたとき、僕は「ハッ」と思った。なぜならさっきの質問の際に「子供がマッチをすって火遊びをしている時に服に火が移り、重大な事故が起きないようにしたかった」と語っていたこととリンクしていることに気づいたからだ。つまり海外やアメリカの人々と、日本人の科学に対する考え方や受け止め方、理解の差は、上記の点にかなり明確に示されているのではないかと思う。Katieさんへのinterviewの後、さまざまなブースを見るとたしかに、どの海外のファイナリスト達もその考え方や雰囲気を持っているように感じた。つまり僕がひらめき、気付いたのはこうだ。「日本は科学を科学として見る傾向が強く、海外では科学を【自分の夢や、やりたいことを実現させるための一つの方法】として強く認識している」。中には「科学者になるために科学を研究している!」という人々もいるだろうが、ほとんどの人が多かれ少なかれ、上記の考えを持ち、そして実践していると思う。ISEFに参加した初日から、「なんとなくつかみどころのない部分が、日本と異なっている」と思っていたけれど、恐らくは、上記の点の違いが影響していたのだと今、考えている。海外では、科学は夢の実現のための一つの手段だから、やっていて当然楽しい。日本の子供は問題(受験勉強)としてしか科学を知らないから、科学が嫌いになる、離れていく。至極当然の話、そういう点では明治初期や幕末、それ以前の日本人のほうが、現代の僕たちと違って、(科学というかたちではないものの)科学や工学、工業を大人も子供も楽しんでいたように僕には思えた。日本は問題としてしか、分野としてしか、科学を認識していないのではないか? もっともっと可能性があるはずだ、と僕はKatieさんのinterviewの後考えた。 |
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私は、自分が建築の研究を行ったということもあり、エンジニアリングと物理学を主に見て回った。このカテゴリーだけにいえることではないが、ブースの作り方が皆工夫されており、これからの研究発表の際に参考となることが多かった。特に私は、昨年のJSECの審査の際、上野先生に文字が小さいと言われた。その時はしかたないと気にも止めなかったが、今回、すべてのブースが英語での発表ということもあり、それがとても重要なことだと気がついた。ただでさえ、難しい研究内容で、自分が完全に理解できない言葉で書かれているものを、読む気がするだろうかと、単純な事に衝撃を受けた。ハッキリいって、文字だけのブースは私自身、さけていたのである。いかに研究内容が素晴しくとも、人が見てくれなければ、全く意味がないのである。説明は自分自身がしっかりできればよいのであり、まずはいかに興味を持ってもらうか、写真、道具、すべての演出テクが試される。ISEFの各セレモニーもそうだが、いかに観衆をあきさせないものを作るかが大切だ。その点、エンジニアリングの各ブースは、自分の作ったものを展示したり、スクリーンなどで映像を映し、見学者の目をひいていた。そういった観点から見ると、エンジニアリングブースは良いといえる。研究内容は良いものもあるが、全体的に工業系のふつうの研究(言い方があまり良くない)が多かった気がする。私としては、もっとアイデア勝負の研究を全面に打ち出した方が良い気がする。実業系の高校ならば、これぐらいやるだろうという程度の研究(またしても言い方悪し)が多かったからだ。エンジニアリングはどうしてもこの傾向が強くなってしまうが、それでももう少し工夫をこらしたものを選考してもらいたいと思った。逆に言えば、一般高校の勝負方法が見い出せることも確かである。例えば、日本独自の技術であるものを研究し、アピールする。またはこういった分野はさけて、もっとオリジナリティーを出せる分野の研究をして発表する、などである。あくまで、ISEFは世界大会なのであり、自国のご当地ものの研究を発表するということは、対外的に日本の力をアピールすることにつながるし、その分興味を持ってもらえる可能性が高いので非常に効果的であると考える。物理分野はその点、独特の研究が多かった気がする。特に私の目を引いたのは、古代ローマ軍などが使っていたような、投てき装置の研究である。不思議なことにこの研究は複数の人が行っていたのである。研究テーマとしては面白いと思う。だが、なぜこの研究をしようと思ったのかがよく分からない(聞くことができなかった)。しかし、こういったものに目を向けてみるというのは非常に面白いと思う。先日NHKスペシャルで愛・地球博に出品された和時計の話が放送されたが、先人たちの技術、文化、研究を後世に伝えることがとても重要なことであるからだ。最後に私は物理分野は独自の色が出せるいい分野だと考えている。一部のとんでもなくレベルの高い研究はともかく、創意工夫でいくらでも幅が広がるので、私たちが切りこめるポイントであると考えるからだ。こういった分野を狙って、独創的な研究を送り出せれば、十分日本の受賞が考えられる。 |
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今日は、シビックプラザで開催された一般公開にリポーターとして取材を行った。会場には多くの見学者がおり、この国がいかに科学や技術に興味をもっているかを知ることができた。私は、メディカル&ヘルスの取材を行った。発表数が多く、どの研究にするか決めるのにとても困った。その中で私が最も気になったものは、アメリカオークトンハイスクールの学生が行なった「The Effect of zinc on Cholesterol Levels in Cockroaches」だ。日本語で「亜鉛摂取によるゴキブリのコレステロール値測定の結果」のようになる。ここで使用したのはマダガスカル産の全長10cm程度のゴキブリだということだ。ゴキブリを使用した目的は、体つきの変化が目にみえて分かるからだそうだ。比較対称のゴキブリを使用し、エサと亜鉛を与え比較したところ2.9g/mlの時が最もコレステロールが減ったそうである。この他にも肝臓やニューロン、マトリックスなどの研究などがあった。これらのブースの担当者に将来の夢は?と聞くと、医師や研究者、教師など、どの人も目を輝かせて答えてくれた。このように若いうちから自分の目標となることを見つけている人により、このような研究発表の場がもて国際交流につながっていると思う。熱意を持ち夢を抱く気持ちは言葉を越え胸にひびくのだなと、心をうたれた。 |
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| 5月13日、今日はリポーターとしての仕事がありました。私たちが取材をしたのは植物学と宇宙科学の二つです。取材をして一番強く感じたことはどの人も自分の研究に自信と誇りを持って発表し、多くの人に伝えているということでした。限られた時間にすべてを見るということは出来ませんでしたが、日本や中国、アメリカなど様々な国で研究が行われており、楽しく見学できました。植物の特長に焦点を当てたり、植物の生長の過程でphにどのような影響を与えているか、また肥料の研究などいろいろありました。将来のことを聞くと、他のことにも興味があるので研究をその後も続けるかはわからないと答える人もいました。しかし、研究をなにかしら続けたいという気持ちが伝わってくるとても強い態度だったことが心に残っています。研究している人々がその植物が本当に好きでやっている事や誠意や信念を持っている事がわかり本当に良かったです。 宇宙科学の方では、太陽、月、彗星、火星、etc……と様々な方面での研究がありました。同じ惑星を調べていても、人によってそれぞれ内容は違っていて一つの惑星でもこんなにたくさんのことができるのはすごいと思いました。また、その研究の内容がとても高度なことにも驚きました。三角法という測量法を使って火星までの距離の誤差を少なくする方法や、スペースシャトルのデザインを考えていたり、私と同世代の人たちが今すぐにでもNASAで使えそうな技術を提案していて、まだまだ解明されていない謎の多い宇宙がこれからさらに解き明かされ、人間にもっと身近な存在になっていくのではないかと期待感と共に自分ももっと頑張ろうという勇気がわいてきました。「宇宙はその場にいって直接調べることが難しい分だけ、研究するのは大変な努力がいりますが、だからこそあれもこれもと興味や疑問がわいてきてやればやるほどハマっていく、とてもやりがいのある研究です」と言っていた人がいました。皆、本当に宇宙が好きなんだなということがひしひしと伝わってきてとても良い自分への刺激になりました。 |
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