以前から音楽と数学のつながりに着目して研究を進めていたのですが、この機会にその成果を公の場で発表しようと思いました。プレゼンはそれほど緊張しませんでしたが、専門の方から今後の指針を与えてもらい、とても勉強になりました。研究は今後も進めますが、将来はフルーティストになりたいんです。



びっくり半分、喜び半分といった感じ。自分のプレゼンで研究内容をしっかり理解していただけたのだと自信がつきました。審査会や交流会でいろいろな方と話をさせていただきましたが、自分と同じような研究をされている方は少ないことが分かりました。今後も楽しみながら研究を続けていきたいと思います。(小山)
小山君との合言葉は「楽しむ」でした。研究内容はユニークなものだし、プレゼンに向けての準備も万全を期しました。審査会前に、あとは自分で考えてやりなさいと言いました。彼自身、この機会をとても楽しんでいたようです。(引率の山田先生)
 


1.はじめに
音楽を聞いているとなぜか作曲家が誰かわからなくてもその曲の時代や、時には作曲家さえもわかってしまうという時がある。その原因を探りたいと考えた。そこで聴覚的な音楽を、唯一視覚的に表している楽譜に書かれた音列について何か規則性がないかと考え、それを研究するための手法を考え探求した。
一見、数学と音楽は何も関係なさそうな二つの事柄だが、実は関連性があり、音楽の世界でも重要な役割を果たしていることを証明したいと思ったのである。数学と音楽には切っても切り離せない関係があることは、紀元前の数学者ピタゴラスが示した弦と音程の関係からも容易に想像がつく。今回は、もっと身近なものから関連性を考えていきたいと思い、実際の楽譜に書かれたたくさんの音列について、その規則性を探した。更に、数学的な手法で作曲する方法を模索した。
2.研究内容
(1)楽譜に存在する数学的関係の調査
たくさんの楽譜について、一曲中に含まれているドからシまでのそれぞれの音の数を全て数えて表にした。様々な時代(バロック、古典派、ロマン派、現代、近代etc)や作曲家によって、その成分にどのような違いが出るのかを調べるのが目的である。今回は、バロック時代のバッハとテレマン、ロマン派のショパン、現代のベリオについて調べた。音数を数値化し、それをグラフにすると、同時代の曲はグラフの外形が似た形状をとるが、時代が異なるとグラフの外形が異なることが分かった。それぞれの作曲家による個性というものはこのようなところで表れ、それを無意識のうちに直感的に感じることができるため、誰の曲かわからないものを聞いたときでも、だいたいどの作曲家のものか判断できるのではないかと考えた。
(2)マルコフ過程を用いた作曲
数学と音楽の関連性を調べているとき、マルコフ過程を知った。これは有限回前の事象に影響を受ける確率過程である。音楽はある有限回前までの音符の影響を受けると考えられるので有効と考えた。曲全体が16分音符で構成されている「バッハの無伴奏パルティータイ短調」を材料にして、単純マルコフ過程、二重マルコフ過程を用いた作曲を試みた。単純マルコフ過程を施してできた曲は、どことなくバッハが作曲したようなものになり、二重マルコフ過程ではさらにそれらしくなった。
3.研究のまとめ
いろいろな時代の曲を解析した結果、作曲家ごとに特徴をとらえることができた。また、バッハの曲を材料に、マルコフ過程を用いて作曲した結果、バッハが作ったかのような音楽を作ることができた。このように数学的な手法により、あたかもその作曲家が作ったかのような曲を作る方法を提案することができた。



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