小林 コーヒーをかきまぜるとスプーンとカップが接触する音が高くなっていくことに気付き、「なぜなんだろう」と思って始めた研究です。文献からコーヒーの泡が原因であることはすぐに分かりましたが、その理論を解明するために様々な検証を試みました。
笹部 実験したら面白い結果が出たので、JSECに応募しました。自分たちの研究が社会的にどう評価されるかが楽しみな気持ちもありました。最終審査会では審査員の方に言いたいことを全部伝えられたと思います。 
奥本 実験がすごく大変だったので、ファイナリストに選ばれたときは本当にうれしかったですね。自分たちの力を出し切れたので、満足しています。



笹部 みんな面白い研究をしていたので受賞できるとは思いませんでした。音が変わっていく原因を、音速という小学生でも分かるような簡単な計算式で求めたことが受賞につながったんだと思います。今日は、自分の考えを人に理解してもらうプレゼンの難しさを知りました。来年のISEFでは他国の高校生がどんなプレゼンをするのかを、自分の目で確かめたいと思います。 
奥本 信じられない気持ちです。今もまだ夢のよう。研究がいきづまったときに何度も助けてくれた顧問の先生のおかげだと思います。
小林 受賞の瞬間はもう思考停止状態でした。かかわっていて楽しい研究だったし、思い入れも強かったので本当にうれしい。


 インスタントコーヒー粉をコーヒーカップに入れた後、スプーンでかき混ぜると音がしだいに高くなる。大門高校理科部先輩の研究や文献から、これは液体中に泡が入ると音速が小さくなり振動数が下がるためだとわかった。僕たちはこの理論を検証するため、周波数分析器CF5220を使って分析し、以下のことを明らかにした。そしてインスタントコーヒー粉によって音の高さが変わるメカニズムをほぼ完璧に解明した。
(1)カップをスプーンでたたいたとき出る音は、カップの固有振動と、カップ内の液体の固有振動から成る。
(2)水中に泡が入ると、液体中の音速が小さくなるため液体の固有振動数が下がる。そして、泡が抜けるに従ってもとの振動数にもどっていく。
(3)泡による音速変化については、液体中で音が2点間を通過する時間をCF5220で測定するという方法で音速そのものを直接測定して検証した。その結果、液体中に泡が多くはいるほど音速は小さくなることを確認できた。ただし、コーヒー粉以外に、泡状整髪料、バブ、エアーポンプでも実験した結果、泡のサイズが大きいと、泡の量が多くても音速はあまり小さくならないこともわかった。

 CF5220による音速測定方法を生かし、糸電話の糸を伝わる音速についても調べた。その結果、張力をS、線密度をρとすると、糸を伝わる音速は、√S、及び1/√ρに対して直線的に増加するという、弦を伝わる横波の速さと類似した性質があることがわかった(特にたこ糸ではそれが顕著であった)。
 泡によって液体中の音速が下がること、及び、泡のサイズが大きいと音速があまり下がらないことについては、泡による体積弾性率の変化から説明した。また、糸を伝わる音速については、棒を伝わる縦波の速さの理論(ヤング率や密度と速さの関係)と対比して説明した。



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