 
山田 ある大学教授の講義を受ける機会があり、そこで色素型太陽電池の存在を知りました。従来の太陽電池よりも作製時の環境負荷が低い、カラフルな次世代型太陽電池。まだ一般的に普及していない分、やりがいがあると感じて研究を始めました。
垣ヶ原 この太陽電池には色が付いているので、いろいろな場所に応用できます。私はそのメリットにひかれました。JSECへの参加は貴重な経験になったと思います。今後もエネルギーの研究を続け、人と地球が永続的に共存できる方法について考えていきたいと思っています。
種田 JSECは、自分の考えを相手に伝えることの難しさを教えてくれました。

私たちは、従来の太陽電池に代わる次世代型太陽電池として、従来のものより作製時における環境負荷が低く、カラフルであるという、色素増感太陽電池に注目した。この色素増感太陽電池の負極となる光電極を作製する方法は様々であるが、色素としてエオシンY(赤色)を溶解させた硝酸亜鉛水溶液から電析法という簡単な作製方法で、エオシンYが吸着された多孔質な酸化亜鉛薄膜である酸化亜鉛/エオシンY複合膜(光電極)を作製し、色素の脱離、再吸着による光電極としての高性能化を図ることを目的とし、研究を行った。 まず、それまで最適と考えられていた条件で実験を行ったが、基板全面に酸化亜鉛/エオシンY複合膜を作製できないことが多かった。そこで、電析電位に注目し、電析電位を卑にして実験を行った。その結果、−1.3Vより卑な電位で電析を行うことで、色素を脱離できることを確認した。また、太陽電池の性能を示す光電変換効率は、−3.0Vで電析し、色素を脱離、再吸着させたものが最高となった。さらに、電析電位を卑にしたことで、より多孔質な酸化亜鉛/エオシンY複合膜が作製できるようになったため、電解液の色素濃度を高くすることで、酸化亜鉛/エオシンY複合膜の色素吸着量が増加し、光電変換効率がさらに上昇すると考えた。そして、この考えに基づき、色素濃度を高くして実験を行った。その結果、電解液の色素濃度には適した濃度が存在していることがわかり、色素濃度200μmol/Lで作製したものが最も高い光電変換効率を示した。
今回の研究によって、研究以前に最適と考えられていた条件での光電変換効率とは比べ物にならないほど、光電変換効率を上昇させることができた。
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