高校生・高等専門学校生(3年生まで)を対象とした全国規模の科学コンテストとして、既存のジャンルにとらわれない先進的かつ意欲的な「科学技術自由研究」の成果を広く募集した「第1回ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ2003(JSEC 2003)」の表彰式が去る11月23日・日本科学未来館(東京・お台場)で行われた。
 応募総数は138件。物理、科学、生物、地学、情報科学、エンジニアリング、生命科学、環境科学、宇宙科学など応募された内容は多岐にわたり、大学や企業でも通用するほどの高レベルの研究も多くあった。
 上位3人(チーム)は2004年5月に米・オレゴン州で開催される世界大会Intel(R) ISEFへの参加権が得られ、他3人はIntel(R) ISEF世界大会見学ツアーに参加できる。
高温物質上を浮遊する液滴パート2液滴の膜沸騰破壊」
 富山県立富山高等学校
 早水悠登さん・大崎剛喜さん・前澤文宏さん
   
「変形菌とササラダニ・トビムシの走食性を探る」
 公文国際学園高等部・矢野嵩典さん
   
「一般の人々でも利用可能なグリッド技術の実現」
 国立筑波大学附属坂戸高等学校・神林亮さん(以上Intel(R) ISEF出場)
   
「相似の拡張についての研究」
 筑波大学附属駒場高等学校・入江慶さん
   
「自作スペクトル管の製作と実験」
 渋谷教育学園幕張高校・市川沙樹さん
   
「超低コストな組織培養技術の確立とその応用」
 神奈川県立中央農業高等学校・大井泰輔さん
(以上Intel(R) ISEF見学ツアー参加)
 
一次審査を通過した20人(チーム)が、午前11時〜午後1時、午後1時50分〜2時30分の2回に分けてプレゼンテーションを行った。
 プレゼンテーションは1回につき12分。生徒たちの緊張は絶頂に達していたが、その一生懸命さに会場にいた人たちは一様に心打たれた。
 午前中にプレゼンテーションを体験していたこともあって、午後のプレゼンテーションは若干緊張はほぐれていたように見受けられた。
 
受賞した8人の高校生、アジレント・テクノロジー株式会社代表取締役成松洋氏、インテル株式会社代表取締役共同社長グレッグ・ピアーソン氏、審査員代表上野信雄氏、朝日新聞社常務取締役広瀬幸雄による記念写真

高温物質上を浮遊する液滴パート2液滴の膜沸騰破壊
富山県立富山高等学校
早水悠登さん・大崎剛喜さん・前澤文宏さん
 優秀賞まできたので、もうダメだと思っていました。すごくうれしいです。(早水悠登さん)今までやってきたことがこうして認められた。ありがとうございました。(大崎剛喜さん)ものすごい感動で、今、足が震えています。(前澤文宏さん)
 

変形菌とササラダニ・トビムシの走食性を探る
公文国際学園高等部・矢野嵩典さん
 JSECの募集内容に自分の研究が合っていると思って応募しました。大きな賞をいただいて自信がつきました。ISEFでも自信を持って頑張ってきます。
 

一般の人々でも利用可能なグリッド技術の実現
国立筑波大学附属坂戸高等学校・神林亮さん
 日本のトップの人たちが集まる場で自分がどれだけ通用するのか試してみたかった。英語を勉強しているので、英語でのプレゼンテーションが楽しみです。
 

相似の拡張についての研究
筑波大学附属駒場高等学校・入江慶さん
 数学が評価されたことはうれしい。将来は数学という枠にとらわれず、大きな科学を目指す研究者になりたいんです。来年もチャレンジします。
 

自作スペクトル管の製作と実験
渋谷教育学園幕張高校・市川沙樹さん

 もともと星を見るのが大好きでした。研究は趣味として続けていきたいと思っています。将来は法曹の道に進みたいんです。
 

超低コストな組織培養技術の確立とその応用
神奈川県立中央農業高等学校・大井泰輔さん
 若者を世界へ送り出す機会を提供したこと。これがJSECの大きな意義です。彼らの行動圏が飛躍的に広がる第一歩となり、世界のなかで新たな刺激を受けるに違いありません。英語による発表も初めての体験でしょう。彼らの成しえてきたことは、必ず周辺へよい影響を与えます。
 JSECのもう一つの意義は、既存のサイエンスコンクールとは違い、あらゆる分野を受け入れたということです。
答えのわかっていることを解決させるという一方的な知識の伝授ではなく、好奇心を育てる、あるいは誰もやっていないようなことでも平気で取り組もうという気持ちにさせる。こうしたことが、今後の科学教育には必要です。
 その観点から今回の応募を見ると、純粋な数学や社会科学的な分野もありました。今まで大きなコンクールに出せなかった数々の研究の受け皿になりました。


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