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科学技術に対する理解を深めることを目的として、米国のNPO団体サイエンス・サービスが運営する高校生を対象とした国際学生科学フェア「Intel(R)International Science & Engineering Fair (Intel(R)ISEF)」(メインスポンサー:インテル)が、米国オレゴン州ポートランドにて、第55回目の大会を迎えた。世界40カ国で開催された500以上の提携コンテストから選ばれた生徒がファイナリストとして1,300名以上参加した。応募された研究内容の18%が特許を申請するなど、大変にレベルの高い大会であり、賞や奨学金の総額は300万ドルにも達する世界最大級の科学技術コンテストである。今回は「第1回ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(JSEC2003)/高校生“科学技術”チャレンジ」(主催:朝日新聞社 後援:文部科学省ほか 特別協賛:アジレント・テクノロジー、インテル 協賛:東京精密、東レ)において優秀な成績を修めた8名の生徒が、世界にチャレンジをするために初の海外遠征を行った。 彼らの活動を報告する。 |
Intel(R)ISEFでは学術的な評価以外にも、研究動機や創造力、そしてコミュニケーション能力なども大切な評価項目として審査が行われる。審査員を務めるのは、世界各国から集まった約1,000人の博士号レベルの研究者や専門家たちである。彼らは、物理、化学、生物、コンピューター科学、環境科学、微生物学、行動社会科学など15分野に分かれたブースを丁寧に回って、研究内容を評価するのだ。 またIntel(R)ISEFは科学教育の場でもある。地元の小・中学生や高校生、科学好きの大人たちが会場にやってきて、ファイナリストたちの研究を見て回る。小学生のグループを引率していた先生は、あるブースの前に立ち止まり、ただ見るだけでなく、どんな質問をすればいいのかを説明していた。わからないことにアプローチする方法を教えているのだ。 |
Intel(R) ISEF開催期間中は、ノーベル賞受賞科学者たちとの討論会や夕食会、恒例のダンスパーティーなどさまざまなイベントが連日開かれ、生徒たちは寝る間を惜しんで各国の生徒と交流していた。 Intel(R) ISEFのハイライトである表彰式では、数々の賞の後、コンピューターグラフィックス用の新しいプログラムを開発した中国の朱元晨君、深海の岩石から火山活動を分析したアメリカのサラ・ローズ・ラングバーグさん、ローコストの走査型トンネル顕微鏡を開発したドイツのウヴェ・トレスケ君の3人に、最優秀賞であるインテル財団ヤング・サイエンティスト賞が授与された。 科学技術の世界は大変にグローバルであり、そして「面白い」と思う気持ちが科学技術の芽である。本年も「第2回ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(JSEC2004)/高校生“科学技術”チャレンジ」(特別協賛:YKK 協賛:アジレント・テクノロジー、村田製作所、横河電機ほか)が開催される。「出る杭を伸ばす」ことをモットーとする本大会に、思い切って研究成果をぶつけてみてはいかがだろうか。なお、来年のIntel(R) ISEFはアリゾナ州フェニックスにて開催が予定されている。 |
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![]() 高温の物質上に液体を落とすと、放射熱によって液体が下部から気化して浮き上がるライデンフロスト現象が、液体に電圧をかけることでどう変化するかを調べる研究。ある程度以上の電圧で、液体は浮力を失い、音を立てて一気につぶれる。 ●JSECに応募したきっかけ もともと学生科学賞に応募するつもりであったが、先生から勧められて応募した。(早水) ●最初からIntel(R)ISEF出場を狙っていたのか Intel(R)ISEFは知っていたが、JSECで何か賞が取れればいいとしか思っていなかった。受賞してIntel(R)ISEFに行けることを聞き、驚いた。(早水) ●Intel(R)ISEFの印象 会場は広くて人も多いのでプレッシャーがあった。(前澤) いろいろな国の人に出会っていい経験だ。(大崎) 自分たちが思いもつかないことを研究しているのを見つけて、研究意欲が出た。(早水) ●審査会に向けて プレゼンテーションの準備が完ぺきではないので用意したい。(前澤) 自分がしてきたことをやれるだけやってみたい。(大崎) 自分たちの研究の可能性などを伝えていきたい。(早水) ●プレゼンでの工夫など 一つひとつの単語をわかりやすくクリアに話したい。(早水) 発音に注意したい。また審査委員に僕たちの研究の目的などを説明したい。(大崎) 審査委員の目や表情を見て、どこに疑問があるのかを感じ取りたい。(前澤) ●将来の目標 いろいろなことに興味があるので明確なビジョンがないが、「もの」をつくっていきたい。(早水) 理数系と呼ばれるような、自分でいろいろと研究を続けられる分野に進みたい。(大崎) 技術開発の分野に進みたい。(前澤) ●後輩へのアドバイス 好きこそものの上手なれ、です。(早水) 自分がやってきたことをはっきりと「こうだ」と思えるように一生懸命頑張って、結果を残してください。(大崎) 興味を持ったものを続けること。科学は新しいことをどんどん進めていくことなのですが、ものおじせずに頑張ってほしい。(前澤) ●早水悠登君 ・賞を取れなくて悔しかったが、来年また来て、今度は受賞したい。 ・世界各国の生徒の研究を見て、もっとじっくり時間をかけて研究を推し進めなくてはならないと思った。1年を振り返ると、ダラダラしていた期間もあった。もっと真剣さが必要だ。 ・これまで日本国内だけしか知らず、そこで賞をもらったことはすごいと思っていたが、Intel(R)ISEFへ来て、新たな世界が開けた。刺激を受けた。 ・ 日本政府にもっと科学教育に力を入れてほしいと痛感した。中国、韓国、台湾をはじめとしたアジア諸国では、科学専門の学校を作って科学教育を国が後押ししている。科学の進展は速いので、日本もこのままだとあと1、2年で日本の科学は終わってしまう。 ●前澤文宏君 ・ 英語があまりわからず、他の国の学生とうまく話せなかったのが悔しい。日本でも、使える英語を習得できる英語教育をやってほしい。 ・ 他国の学生たちが自分の研究を熱っぽく語る様子が刺激的だった。 ・ 日本の学校では味わえない活気を経験した。 ・ 日本では受験勉強を優先させなくてはならないので、専門的な研究ができない。専門的になろうとすると、「偏った人間になる」と注意される。意欲的に研究をしたい学生が本気で研究ができるような環境が必要だ。 ●大崎剛喜君 ・ 他国の学生の展示は、何を目的に研究をしているのかがはっきりわかるように表現されていた。この研究があるから何ができるようになる、と現実的に将来を見ていると思った。 ・ 自分の研究に自信を持っていると思った。自分の研究を説明するときの生き生きした様子が印象的だ。自分も負けないよう、熱意を持ち続けたい。 ・ 他国の生徒は、昼間はまじめな理科系の学生なのに、夜にパーティーで見かけるとまったく別人に見えた。メリハリを持って生活をしているさまが印象強かった。 |
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![]() 原生生物界に属す変形菌は、そのライフサイクルを通して植物的な形態の子実体や動物的な形態をとり、ユニークな変態を見せる。変形菌と土壌動物ササラダニ・トビムシとの関係を観察し、森林生態系における変形菌の位置付けを探る。 ●JSECに応募したきっかけ 前から研究してきたが、 JSECに熱心な岡山一宮高校の高橋先生から紹介され、JSECがオリジナリティーや先進性を目指している大会であると知ったので、評価していただけると思い、応募した。 ●Intel(R)ISEF出場を知ったとき チャンス、とは思ったが、フェアが決まってから4カ月間は踏み出せなかった。自分で英語にして、資料を作るので大変だったが、勉強になった。 ●Intel(R)ISEF会場の印象 広いコンベンションセンターで発表できるので興奮した。 ●審査に向けての意気込みやこだわり 隠さずにありのままに発表する。誰もやっていない研究で、しかも世界的に数少ない研究分野でもあるので、高校生としてそれを行った点をアピールしたい。日本のように森林が多く、面白い生態系から出てきた研究なので、その面白さや発見を伝えていきたい。 そこから発見したことを幅広い世界に応用したい。 ●英語は 英語は未熟である。覚悟の上である。それでも伝えられることは十分にある。特に研究にフィギア(絵や図、模型)が多いので自分の「手」で話したい。 ●将来の目標 農学のジャンルの一部として森林学を確立し、いろいろな方面に応用したい。それゆえ大学では理工学部に進学した。応用力を身につけ、独自の研究を進めていきたい。研究自体はチャレンジ性が高いので、様々な方向に発展するような研究をして、可能性を広げたい。 ●後輩へのアドバイス 博物館で研究を行っていた。オープンラボなどで、小・中学生を対象に実験教室を行っている。いろいろな環境があるので、そこから自分の世界を広げてみると面白い。 ●Intel(R)ISEFに出場して ここまで来られると思っていなかった。視野が広がった。しかし、世界のレベルを見て、プロジェクト自体はあまり変らないと思った。 ●これから必要なこと 自分の研究では限界もあるので、いろいろな交流会や研究会に参加してみたい。また大学で理工学部に進学するので、新しい知識や視点、細かい分析力をつけたい。 ●理工学で追究したいこと 生化学。環境科学や森林学が専門であるが、関連分野であるということもあるので、頑張りたい。 ●今回のIntel(R)ISEF出場は何点? 70点。やはり賞を取りたかった。こういう分野で評価されるのは難しいと思ったが、みんながわかる研究でもあるので、もっとわかりやすく発表したい。 |
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![]() 複数のコンピューターをつないで計算力を高めるグリッドコンピューティングの環境を、どこにでもあるパソコンを使って手軽に構築できるしくみを開発。それを用いて、未証明のコラッツ算法の反例探しプロジェクトを立ち上げた。 ●研究について グリッドコンピューティングという技術で、たくさんのPCを使って性能を高めようという研究。最初はいろいろなトラブルもあったが、その後は意外とスムーズに研究が進んだ。 ●研究を進めるうえで難しかったこと プログラミングを作るのに1カ月以上かかった。参加者を増やすのに自分一人の力ではできず、いろいろな人の力で助けてもらった。 ●どう役立てたいか 高価なスーパーコンピューターを使わなくても、一般の人々でも誰でも普通のPC で、高度な計算が利用できる。 ●後輩へのアドバイス すごいことをやっているように見えるが、着実に一歩一歩やっていけば、僕でもこの程度できたので、あきらめずに頑張ってほしい。 ●Intel(R)ISEFに出場して もともと自分はこの大会に出場できるレベルではなかった。もっと技術的にも研究にもオリジナル性が必要。グリッド技術は間違いなくインターネットと同じくらい、社会の役に立つものなので、研究を進めたいと思った。 ●研究を進めるうえで必要なこと 人にアピールする研究か、外には見えないが社会に役に立っている研究をするかは確かに迷うが、Intel(R)ISEFで感じたのは、まずはいろいろな人の研究を見て、イマジネーションを持つこと、そしてそれを理解するうえでの知識を持つことが大切。自分はまだこれからです。特に技術的なレベルは追いついていない。 ●今回の出場で得たもの グリッド技術を研究している人も多く、連絡を取り合うことにした。また、アルゴリズムの研究をしている人とコンタクトが取れたので、新しい課題として次の研究に生かしたい。 |
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インテル賞(JSEC2003) ●当時国立筑波大学附属駒場高等学校2年生 現同校3年生 入江慶君 日本では基礎知識が重視されるが、ここではみな、何をやりたいのかがはっきりしている。それさえわかっていれば、ノウハウは自然に身につくのだと痛感した。基礎ばかり固めていては、何年も無駄にしてしまう。順番が大切だ。 |
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アジレント・テクノロジー賞(JSEC2003) ●当時渋谷教育学園幕張高等学校2年生 現同校3年生 市川沙樹さん 科学全体を考えるよう、視野が広がった。アメリカでは、時間をかけて進めてきた研究がたくさんあるが、日本の受験勉強の環境ではそういう人が出る余地が限られていると感じた。科学は国がサポートする必要があると思う。 |
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朝日新聞社賞(JSEC2003) ●当時神奈川県立中央農業高等学校3年生 現宮城県農業短期大学1年生 大井泰輔君 本当にいろいろなことを研究しているのだと思った。これまでひとつのことだけ追究して視野が狭かった。また、他国の生徒たちの英語がよくわからなかったのが悔しい。世界的なところへ立ちたいなら、これではだめだと思った。 |
「当時」とは昨年11月のJSEC2003応募時点のことです。 |
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