文部科学省による平成20年度の新たな財政重点支援メニュー「質の高い大学教育推進プログラム」に148件が選定され、9月30日に発表されました。これは「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実等」の一環であり、これまで実施されてきた「特色ある大学教育支援プログラム」と「現代的教育ニーズ取組支援ブログラム」を発展的に統合したものです。
他大学への波及効果も期待したグッド・ブラクティス(好例)であるため、前者は特色GP、後者は現代GPと略称されてきましたが、これからは「質の高い大学教育推進プログラム」=「教育GP」として一本化されるということになります。
文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室改革支援第一係の丸岡充係長は、この新しいプログラムについて「03年度に特色GP、04年度に現代GPを設定しており、約5年が経過したので、ほぼ一回りしたであろうという判断と、08年4月1日に大学設置基準の一部が改正されました。その徹底も目的として、新しいプログラムに更新したのです」と説明しています。
この大学設置基準の一部改正とは「社会の信頼に応える高等教育の実現のため、学部等における教育力向上のための必要な措置を講じるとともに、その教育の質を保証する上で備えるべき基準を明確化」することを目的に、以下の4点が挙げられています。
1)教育研究上の目的の明確化
2)2以上の方法の併用により授業を行う場合の単位の計算基準の明確化
3)成績評価基準等の明示等
4)教育内容の改善のための組織的研修等
一般に分かりにくいのは、2)「2以上の方法の併用により……」でしょう。近年の大学では講義=座学だけではなく、プロジェクトワークなどの実習も広く取り入れるようになってきました。ところが、講義の単位時間は明確でしたが、実習についての単位基準に特段の規定はありませんでした。そこで、講義と実習を併用した授業についての単位評価基準を明確にするということです。3)の「成績評価基準等の明示等」も、これに準じた改正といえるでしょう。
4)「教育内容の改善のための組織的研修等」とは、最近しばしば聞かれるようになったFD(ファカルティ・デベロップメント)を指します。教員を中心とする大学関係者全員が組織的に教育改善に取り組むことを意味しますが、これまで任意で行われてきたFDを大学設置基準として義務化したわけです。人材養成の目的を明確化するとともに、それに適した教育改革を行うことが規定されたといえるでしょう。
今年から登場した財政重点支援プログラム「教育GP」も、これにリンクしており「たとえばFDも単にやっているというだけでなく、真に教育が改革・改善されていかないと意味がありません。そこで、新しい大学設置基準への対応と、その大学独自の取組という2本立てのトータルで評価するものとしました」(前出・丸岡氏)。
さて、その結果ですが、488の大学等から939件の応募があり、120大学等の148件が選定されました。件数ベースでは約16%の選定率となります。4年制大学に限れば、374大学745件の応募があり、92大学117件(共同申請を除く)が選定されました。こちらも件数ベースでは約16%と、なかなか厳しい選定率です。それだけに、選ばれた大学にとっては誇りと励みになるでしょう。
この教育GPでは3つの区分があり、大学に関しては「教育課程の工夫改善を主とする取組」で36件、「教育方法の工夫改善を主とする取組」が68件、「それ以外の工夫改善を主とする取組」で13件が選定されました。
ちなみに、選定された場合の補助金額は1件あたり年間で2000万円まで、2〜3年に渡って支援を受けることができます。いずれも現代的で興味深い取組ばかりなので、各大学の姿勢を理解するための参考にもなると思われます。