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「広告以外の世界と競争できる広告を。」 文:糸井重里

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広告以外の世界と競争できる広告を。
 ぼくらが、そして、朝日広告賞に応募しようとしているあなたが、ライバルとして意識しなければならないのは、広告ではない。

 現在も、過去も、あなたはあなた以外の人が作った広告を目標にしたり、競争相手にしたりしてはいけない。ぼくは、そう思う。

 それは、ちょうど、こういうことだ。

 マンガ雑誌の編集者も、映画関係者も、音楽業界の人々も、みんなが口を揃えて「若い人たちが携帯電話にお金を使うから、自分の業界が圧迫されている」と言う。その言い方は、単純すぎるとは思うのだけれど、半分は当たっている。マンガの競争相手は、マンガではなくケイタイだったりするのだ。

 同じように、あなたの作ろうとしている広告も、他の広告と戦っているのではない。映画や、小説や、マンガやテレビ番組や、ゲームや、恋人や、ともだちや、もちろん携帯電話などという、もっと興味深いかもしれないものを、競争相手にして戦っているのだ。

 あなたは、すれっからしの情報マニアでもあるあなたがそうであるように、ちょっとやそっとの「ごまかし」は見破ってしまうような読者に向けて広告を作らねばならない。他人の作った広告が、どれくらいたいしたことないかを論評しているヒマがあったら、広告以外の、「まいった!」と思わされた作品や事件について闘志を燃やしたほうがいい。

 あなたも、ぼくも、そうするべきだ。

 とても、とっても、期待しています。

 糸井重里


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(順不同、敬称略)



アートディレクター
浅葉 克己
広告制作、CMからグラフィックまで多分野のデザインを手掛ける。映画『写楽』では、美術監督として、日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞。


コピーライター
糸井 重里
『不思議、大好き。』(西武百貨店)などの作品で、コピーライターを社会に認知させる。現在は、『ほぼ日刊イトイ新聞』を運営、1日のアクセス数は40万件にのぼる。


武蔵野美術大学教授
柏木 博
生活用品のデザインを通し、生活者の意識・感覚を探るデザイン評論家。『日仏文化サミット'97』ではパネリストを務める。著書に『デザインの20世紀』。


クリエーティブディレクター
梶 祐輔
クリエーティブディレクターとして、アサヒビール、トヨタ自動車などを担当したほか、JRやトヨタ自動車のCIも手掛ける。著書『広告の迷走』ほか。


コピーライター
仲畑 貴志
『おしりだって、洗ってほしい。』(TOTO)など、心に届くコピーで、数多くの広告賞を受賞。今も制作の第一線でヒット作を連発する第一人者。


アートディレクター
中島 祥文
「触ってごらん、ウールだよ」のウールマーク、J.P.ゴルチェなど、時代に生きた表現の多様性、その着眼点には定評がある。母校多摩美術大学では教鞭も執っている。


アートディレクター
中村 誠
資生堂宣伝部で多数の広告制作に携わる。デザインの実践から、ディレクションまで経験豊富。紫綬褒章はじめ、日宣美展特選など、数々の賞を受賞。


朝日新聞社常務取締役広告担当
中島 正典


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写真家
上田 義彦
数多くの個展、グループ展に参加。広告写真でもカンヌグラフィック銀賞やニューヨークADC賞の受賞など、世界的にも評価が高い。


アートディレクター
大貫 卓也
『ペプシマン』(サントリー)、『Hungry?』(日清食品)など、作品に展開される豊かなエンターテインメント性は、時代、社会の話題をさらっている。


アートディレクター
葛西 薫
代表作に、サントリーウーロン茶、ユナイテッドアローズの広告などがある。一貫した涼しい作風は、見る人を不思議な懐かしさへ誘う。


クリエーティブディレクター
サイトウ マコト
'80年代に衝撃的デビュー。以来、世界中のポスター展において受賞を重ねる。作品は国内外30以上の近代美術館の永久保存となっている


漫画家
柴門 ふみ
『P.S.元気です、俊平』で講談社、『あすなろ白書』で小学館の漫画賞を受賞。『Age,35』も代表作。世代、性別を問わず、幅広い層に支持されている。


銅版画家
山本 容子
洗練された雰囲気を持つ独自の銅版画の世界をベースに、書籍の装丁・挿画をはじめ、アクセサリーから壁画まで幅広い創作活動を展開。


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デザイナー
伊藤 佐智子
パルコ、資生堂のキャンペーンを皮切りに、オーダーメードによるデザイン活動を開始。現在は、衣装デザインのほか、新商品プロデュースも。


麗澤大学教授
大橋 照枝
京大卒。マーケティングの経験と、消費生活アドバイザーの立場からの実践的な意見は貴重。『静脈系社会の設計』など著書多数。


写真家
久留 幸子
代表的な写真集に『千年』、『あつあつ』(浅野温子写真集)、『野菜から見た肉』。現在はライフワークとしてラダックの人と自然の風景撮影に取り組んでいる。


広告批評 編集長
島森 路子
『広告批評』編集長としてユニークな企画を打ち出す一方、評論家、コメンテーターなどとしても活躍中。『広告のヒロインたち』など著書多数。


コピーライター
眞木 準
『でっかいどお。北海道』(全日空)や、近作『和イスキー。膳』(サントリー)など、エスプリの利いたコピーで独自の世界を確立。


朝日新聞東京本社学芸部長
進藤 隆夫

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