twitterにこのエントリを追加
LifeStyle

夏本番!夏バテしてませんか?

[2016.08.03]

illustration by Akira Sorimachi

アスファルトやコンクリートのふく射熱があるところでは、体温を超える暑さを連日感じてうんざり気味に。

熱中症も不安……。少しでも楽に夏が過ごせる方法はないものか……東洋医学で探ってみました。

(イラスト:加藤木麻莉/取材・文:園田郁子)

お話をうかがったのは 木村 容子 先生
(東京女子医科大学 東洋医学研究所副所長 准教授)

きむら・ようこ 英国オックスフォード大学大学院に留学中、漢方に出合う。帰国後医学部に学士入学。医学博士。内科学会認定医、東洋医学会専門医。『女40歳からの「不調」を感じたら読む本』『女50歳からの「変調」を感じたら読む本』(静山社)など著書多数。

Q.1「熱中症」はどうして起きるの?

A. 温度と湿度の関係を意識して

「真夏の炎天下、水分も摂(と)らずに長時間、運動や遊び、作業をしていると熱中症になりやすいのはご存じのとおり。汗がかけているうちはまだ体温調節ができている証拠ですが、湿度が75%を超えたり、外気温が体温を超えると発汗による体温調節ができにくくなります。熱中症の初期症状はめまい、大量の発汗、筋肉痛となって表れます。頭痛や嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感や虚脱感、集中力の低下がある場合は迷わず医療機関へ。また、日の当たらない屋内でエアコンも利いているのに熱中症になるのはなぜ? それは、温度と湿度の関係に原因があります。さまざまな要因で室温が常に一定というわけにはいかず、時には気がつかないうちに温度が上がっていることも。

今の時期なら、室温は28℃前後、湿度は55〜65%になるように心がけて。最近はスマートフォン用の無料アプリもたくさん出ていますので、温度計と湿度計の活用をおすすめします」

Q.2 夏バテの主な要因は?

A. 自律神経の働きの乱れが原因に

「暑い時、体は汗をかくことで体温の上昇を防ごうとします。ところが外気温よりも5℃以上低い温度差がある室内に入ると、発汗が突然止まります。こうしたことを一日に何度も繰り返したり、または一日中低め温度のエアコンの中にいると、自律神経がうまく働かず、体温調節の機能が乱れます。その結果、体の表面は冷えて汗は出ていないのに体内には熱がこもったり、上半身はほてって汗が出るのに下半身は冷えるといった、寒熱のバランスが崩れた状態になって、次第に疲れやだるさを感じるようになります。これが近年の夏バテの傾向です。冷房が利きすぎた電車で長時間移動したり、猛暑のなかでの外出が多いときはなかなか調整が難しいですから、自分でできる夏バテ対策を考えておきましょう」

木村先生おすすめ
自分でできる夏バテ対策6

1. 体温調節のポイント
「汗」のコントロールを心がける

定期的に運動して汗をかくのが良法ですが、なかなかできない場合も。そんな時はお風呂の活用を。夏はシャワーで済ませる方も多いですが、特に猛暑下でエアコンのなかにいる時間が長い時には、出来れば週2〜3回は湯船につかることをおすすめします。38〜40℃のぬるめのお湯でうっすら汗が出てくるくらいまでつかると、寒熱のバランスが整います。血流がよくなり新陳代謝も促されます。日ごろから汗をかきにくい方は、肩にタオルをかけて半身浴をし、汗が出るのを気長に待つのも良策。リラックス効果も期待できます。

2. ノドが乾いていなくても水分補給を

「冷たいものが飲みたい!」と思うとき、実は欲しがっているのはノド越しだったりします。冷たいものを一気にたくさん飲むと胃腸の働きが低下しますので、夏バテ気味のときは、冷たいものは最初の一杯でノドを満足させ、そのあとは氷なしや常温の飲み物を選ぶようにして、胃腸のケアを。汗は塩辛味を感じるように、水分といっても水やお茶だけでなく、ほどよい塩分の補給も必要です。それは、キュウリや枝豆などの夏の食材には塩をかけて食べるものがあることからもわかります。塩分不足はこむら返りや足がつるといった筋肉の痙攣(けいれん)を起こし、熱中症の原因にもなります。お茶に梅干しや塩昆布を入れるだけでも塩分補給につながります。

3. 外出時は「もう一枚」を忘れずに

猛暑のときほど室内のエアコンはしっかり利いているので、冷えを防ぐためにスカーフを一枚携帯。肌触りのいいリネンやコットンを。ソックスも用意するといいかも。就寝時には薄手シルクの腹巻がおすすめ。お腹(なか)は出来るだけ冷やさないように!

4. 規則正しい食事&体を温める食材を料理に取り入れて

たとえば朝、ご飯と味噌(みそ)汁をちゃんと食べる、これだけでも体は喜びます。胚芽米や玄米なら栄養素的にもベター。薬膳でいうところの「冷」の食材を多く摂ると胃腸の冷えを助長しかねません。夏が旬の食材は必然的に体を冷やす「冷」のものが多いので、盛夏に出回る「温」の食材を組み合わせて。たとえば「冷」の蕎麦(そば)には「温」のわさびやしょうがを添えるとか。「温」の食材はしそ、にんにく、パセリ、かぼちゃ、唐辛子、らっきょう、しょうが、玉ねぎ、もち米、いんげん、納豆、クルミ、黒砂糖、シナモン、紅茶、杜仲茶(とちゅうちゃ)など。上手に料理に取り入れて。

5. 寝ている間も温度に注意

汗をかかない環境で眠ることは快適なようですが、汗が出ない環境の中にずっといると自律神経が乱れがちに。また、風邪をひくという別の原因にもなりますから、エアコンの設定温度を28℃くらいにして、風が直接カラダに当たらないように風向きを調整。起床時に汗をかかずに足先などが冷えてだるい場合は、就寝時や起床時のタイマーを活用してカラダが冷えないように。

6. 腹式呼吸で自律神経を調節

「丹田(たんでん)」はおへその下にある部位で、東洋医学では「関元(かんげん)」というツボがある場所。このあたりを意識して腹式呼吸をするとリラックス神経である副交感神経の働きが高まり、自律神経の働きを整える効果があるといわれます。鼻から息をゆっくり吸って下腹部を膨らませ、息を約5秒止め、10秒ほどかけて口からゆっくり息を吐いてお腹をへこませます。座位や仰向けで2-3回繰り返します。

ピックアップ

コンテンツ


ページの先頭へ戻る